小説 舞の楽園 ( 転落の人生 )
- 2020/04/03
- 00:25
転 落 の 人 生 { 6 }
「何だとう・・!」
「そんな謝り方しか出来ないのか・・?」
「俺達を散々馬鹿にして置いて・・」
3人が顔色を変えて、口を揃えて怒り出しました。私の謝り方が悪かったようです。
こうなっても・・『まだ私の方が彼等の上に立って居る・・』と思っていました。
「悪かった!許してくれ・・!今までのことは反省する!だから・・許してほしい・・。
勘弁してくれ・・」
彼等が『本気で私を女にすることなんて出来ない』と思っている私は、取り合えず謝る
ことにしたのです。
この場こそ脱出すれば何とかなる・・と思っていました。
後で1人ずつ復讐をする積りでした。コテンコテンに打ちのめして、私の秘密事項が漏
れないようにする積りでした。
今は逃げることが先決です。
「それで謝っているのか・・?
「そんな謝り方って無いだろう・・?エッ、部長さんよ・・」
「そんな謝り方しか出来ないのなら・・やっぱ女になって貰わなければならない・・な」
口々に文句を言っています。
最後に言った斎藤の口調は冷酷そのものでした。
彼等に与えられている屈辱に対して私は奥歯を噛み締めていますが、全裸に剥かれて
縛られていては如何しようもありませんでした。
「いや、悪かった・・です。私が悪うございました。今まであなた方を馬鹿にしたりし
て悪うございました。許して下さい・・」
湧いて来た恐怖をこの3人に悟られないようにもう1度謝りましたが、声が震えるのは
致し方ありません。
「アッ。アッ」
謝り終わらないうちに、又頬がパチン・パチンと2度鳴りました。今度は斎藤が頬を強
く叩いたのです。
「まだ判っていないようだな…!お前はアホウか・・?根性を入れてやる!」
怒りからか真っ赤な顔になった斎藤は自分が「アホウ」と呼ばれていたことを思いだし
たようです。ベッドの上に括り付けられて上を向いた私の頬を激しく往復ビンタを食ら
わせて来たのです。
年の離れた兄と2人兄弟で甘やかされて育った私は、親にも手を上げられたことは無い
のです。
私はビビッテしまいました。口の中が切れたのでしょう、血の味の鉄分の味がしてい
ます。恐ろしいのと、悔しいのとで、涙がポロポロと零れて来ました。
それから3~4回は打たれました。
「もう・・その位にしておけよ・・!お化けになっちゃうよ。抱く気も起らなくな
っちゃうよ・・」
年上の佐伯が止めなければ、もっと続いていたと思われます。
打たれた頬は赤く腫れあがっているのが、涙に濡れた鏡に写っていました。(つづく)
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