小説 舞の楽園 ( 転落の人生 )
- 2020/04/04
- 01:00
転 落 の 人 生 { 7 }
「俺達はな・・お前を殺したいほどに憎んでいるのだ・・」
「それで・・お前を捕えて・・殺そうと思ってな・・」
「しかし・・俺達も殺人までは犯したくない。もしお前が心を入れ替えて『あなた方の女に
してください・・』と誓えば、許してやらないこともない!」
渡辺が狂気に染まったような眸をして言い始めると、佐伯が私を睨み付けながら後を引き継
げました。
私は初めて、彼等の憎悪の深さに気が付き戦慄しました。『彼等は本気なのだ』と判ったの
です。『殺されるかも知れない・・』と思ったのです。
そう思うと、今まで馬鹿にし切って来た彼等が、身体が震えるほどに怖くなったのです。
本心から恐ろしくなったのです。
虚勢を張っていた私の心が折れてしまったのです。
「お許し下さい!僕が悪うございました・・」
怖いと感じるとまたまた涙が出て来ました。涙でクシャクシャの顔で謝っていました。
普段はシャープでダンデイだと思っている私も、もう恥も外聞もありませんでした。
「君達を早く一人前にして、会社の戦力にしたかったのだ」とは怖くってとても言い出すこ
とはいえませんでした。泣きながら謝っていました。
初めて「出世をして、調子に乗っていたのかな・・?」と考えました。
「泣いているぜ・・」
「嘘泣きじゃないのか・・?あの威張ったこいつが泣くとは思えない。いい気味だ1」
「もっと虐めてやろうぜ・・!こいつを苛めるとスカッとするんだ・・よな」
「楽しくなるんだよ・・な。俺は自分をサドじゃないかと・・思っているんだ・・」
3人は涙を流している私を見て爽快そうです。
私は余程、『憎まれていたんだ』と悟ったのです。特に最後に口走った1番若い斎藤の
言葉に震えあがりました。
「マゾ牝にしてやる!」
斎藤は宣言しております。他の2人は面白そうに全裸でベッドに繋がれた私を見ていま
した。
「お前は確か・・福島美雄と言ったよな・?」
急に尊大になった斎藤が「お前」呼ばりをして、私のフルネームを聞いています。
脅え切っている私は仕方が無しに頷きます。
他の2人は斎藤が私を嬲るのを任せたように、縛られている私の足元のソファーの方へ
移動しています。缶ビールでも飲んでいるのか、プルトップを空ける音がしています。
「馬鹿者。聞かれたら・・ちゃんと返事をするのだ!」
怒声と共にピューンと音がしましてパシリと弾け、私の腹部に焼けるような痛みを感じ
ました。
「イ、イタァイ。ヒィィ・・・」
屈辱に眸を瞑って横を向いていた私に何時の間にか用意したのか、ベルトの鞭が炸裂
したのです。
「痛いじゃないだろう・・?俺様の質問に答えるんだ!」
2日発目、3発目の鞭を私の太股に振り下ろしてから、命令しております。
横の鏡を見ますと打たれたところには、見る見るうちにミミズ腫れが浮かんで来てい
ました。(つづく)
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