小説 舞の楽園 ( 転落の人生 )
- 2020/04/29
- 00:12
転 落 の 人 生 { 32 }
目が暗闇に慣れて来ますとお客様が座っているテーブルには薄いレースの黒の極端
に短いキャメソールだけを着けた若い女性が飲食物を持って来ています。
若い20代も前半だろうと思われる2人はキャミが短いのと前のボタンが1つしか無いの
で、引き締まったお腹さえ見せております。
裸の乳房と乳首はキャミを通して丸見えです。
かろうじて、やはり薄いナイロンスキャンテイで下半身を覆っていますが、体毛が仄か
に見えております。
私は目のやり場に戸惑っていました。
「あけましておめでとうございます。常日頃皆様にはご愛顧を頂きまして誠にありが
とうございます」
出された飲み物を飲み始めると、舞台の袖でさっきの店長がマイクを握っています。
「今日は新春の出し物といたしまして、特別ショーを皆様にお見せ出来ることになりま
した。お気に入って貰えましたらば、又のご来店をお願いしたいと考えております・・」
「では・・どうぞご期待くださいませ・・」
店長が言うと、拍手がドッと湧きました。
スポットライトが消された舞台の上は真っ暗です。
その中で2~3人の人が動くような気配がしてライトが点されますと、何時の間にかお
布団が敷かれていまして、ピンクのシースルーのキャミを着た女性と真っ赤なこれも
シースルーのキャミを着た女性が2人正座をして頭を下げています。
強烈なスポットライトの光の下で、白い躯の女性達が敷かれた布団の上で絡み始めます。
レズショーです。
『特別ショーとはこう言うものかしら・・』と私が思っていますと、先程の黒服が
近づいて来ました。
「ご用意をいたしますので、お連れの方をお預かりいたします・・」と斎藤様に言って
います。
「そうして下さい・・」と答えて「美子!行って来い・・!」と私を引き渡しました。
私は何が何だか判りませんでしたが、実質的なご主人様は斎藤様ですので、不安になり
ながらも立ち上がりまして、黒服の後に従って舞台の裏の小さな小部屋へ入りました。
そこで・・私は黒のワンピースを有無を言わずに剥ぎ取られてしまったのです。
ワンピを剥ぎ取られてしまった私が身に着けているものと言ったら、太股まである
ストックキングと太股のところで止めたベルトの靴下止めに、黒いハイヒールだけです。
ブラもパンティも着けてはいないのです。
「オッ・・女かと思ったら・・男かよ・・」
若く逞しい肉体をした黒服の男の人の唇がそう動いたような気がしましたが、流石に言
葉にはしていません。驚愕の表情は忘れることが出来ません。
「見ないでェ・・」
私は小さく叫んで躯を丸めてシャガミこんでしまったのです。(つづく)
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