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小説 舞の楽園 (転落の人生 )


         転 落 の 人 生   { 40 }
   ボストンバッグ(これは例えです。実際に言えば旅行鞄です)1つで2年間住んだ楽
しかった思い出のあるお部屋をでたのです。
それからの私はあっちこっちで夜の女を営業しましたが、このような半端な身体では長
く続くはずはありません。
1番思い出のある新宿へ戻ってまいりました。
もう思い出のあるお部屋を出ましてから4年は経ておりますからお店はありません。私
は通りすがりの男の方を誘うようになっていました。所謂立ん坊という街娼です。


 3か月くらい前のことですが、こう云うことがございましたら。このような私でも、
春がやっと巡って来た見たいな感じです。
歌舞伎町の裏にあります公園で、40歳ぐらいの男性を拾ったのです。背が高いけれど
もちょっとイモっぽい男性でした。何処かの地方から出張して来ていると言った感じで、
大きなバッグを下げていました。
着ているコートは高級そうで『お金を持って居そうだわ・・』と計算しまして声を掛け
たのです。
姿形は全然異なっておりましたが、雰囲気が斎藤様に似ているように感じましたので、
断られるのを覚悟しまして声を掛けたのです。
後で考えると、Sの男性って雰囲気は皆さん似ていると思いません・・

 「ネエ・・旦那さん。わたしと・・いいこと・・しない?」
咽の手術をしていませんでしたので、典型的なオカマ声です。
女に近づきたかった以前は声も女声を真似していましたが、このような夜の商売をする
ようになってからは、この方が女と間違われなくっていいのです。
「エッ・・俺のこと?。う~んっ・・いいよ・・!遊んでも・・」
オカマさんから声を掛けられるとは思ってもいなかったらしくって、ちょっと驚いてお
ります。暫く考えてから承諾の返事をしていました。
暗がりの中で、彼の眸がギラりと光ったと感じましたが、街灯の光が反射したのだ・・
と打ち消したのです。
この3日間、1人のお客も付きませんでアブレテいまして、私の身体は、いえオマンコ
が異常に疼いていたのです。
「でも・・この辺りは知らないんだ・・。何処か知っているか・・?」
その男の人は素直に出張して来たことを告げまして、私の肩に手を廻して来ています。

 その男性を伴って私は何時も使っています旅館に入りました。
その旅館は私のようなオカマさんや娼婦がお客と入ってつかの間のSEXをするところ
です。
昔は畳であったところを張り直してセミダブルのベッドと小さなテーブルに安っぽい
ソフトウェアファーを置いただけの旅館です。
お部屋に入ると毛皮のコートを脱いだ私は、何時ものように冷蔵庫の上に置いてある
お茶のセットを手にしてお茶を淹れようとしますと、後ろから彼が抱き抱えて来たの
です。
「うんっ。もう・・」
「もうなの・・?そんなに・・焦らないでェ・・」と言おうとしましたが、後ろを向か
せた彼が毒々しい赤のルージュを塗った私の唇を奪って来たのです。(つづく)
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Author:舞
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