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小説 舞の楽園 ( 転落の人生 )


         転 落 の 人 生   { 50 }
   社長さんもコーヒーを飲んでチョットお話をして、彼の予約をしてあるお部屋に入り
 ました。
 8階のそのお部屋は晴れていれば富士山が綺麗に見えるそうです。広々としたスィートル
 -ムでダブルのベッドと応接セットがありました。
 「待っていてくれたんだね・・」
 お部屋に入るとまだ扉が閉まらないうちに、私は抱き寄せられてルージュを塗った唇を奪
 れています。
 「会いたかったよ・・」
 「わたくしも・・」
 私の言葉は彼の口の中で言っております。彼の耳には届かなかったのか解りません。

  そのままベッドに倒れ込んで、社長さんの雄大なもので貫ぬかれました。
 隆々としたものは、恥ずかしいほど濡れている私のオマ〇コの中へ射精をしてくれました。
 「縛って犯さないと、射精が出来ないのだ・・」とこの前の時に寂しそうにおっしゃって
 いたのに、私を縛ってもいないのに・・です。
 「こんな時に・・言うのはなんなんだけど・・」
 貫かれて汗みどろになった身体を倦怠感で動けずに社長さんの胸の中に伏せている時です、
 私の長い髪の毛を手で撫で梳りながら言い難くそうに言い出したのです。
 「なぁに・・」と顔を上げて彼の目を見ました。
 「俺は美子に惚れてしまったようだ。美子。俺のところに来ないか・・?」
 「エッ・・」
 私は吃驚してしまいました。こんな商売をしている女を、いえ、オカマ男をです。
 彼の眸は真剣でした。これはプロポーズです。
 これは・・ズ~ッと後で、社長さんのお世話になりましてからのお話です・・
 「あの時に美子を縛らないで出来たらば・・求婚しようと思っていたんだ」
 「お前が・・他の人に抱かれているのが耐えられなかった・・」
 とおっしゃっておりました。私は言葉が出ませんでした。

  私は嬉しかったのです。でも・・私のような者をプロポーズする社長さんの態面を考え
 たのです
 あえて目を瞑って・・「誘ってくれたのは、旅行に来ないか・・?」と誘ってくれたのだ
 ろう・・と考えたのです。
 だって・・幾ら肉体を合わせたからと言っても、私は社長さんのことは何も知らないの
 です。彼にも私のことは何もお話ししていない・・のです。
 「えっ?遊びに行ってもいいの・・?嬉しいわ・・。だって、わたくし高崎なんて行った
 ことが無いのですもの・・」
 あえてワザと「遊びにお出でよ・・」と言われたように喜びました。本当のことを言うと
 チョット悲しかったのです。
 『こう云う肉体を売る商売をしている、それも1廻りも年上のオカマ男を恋愛の対象に
 している訳がない・・わ』と考えたからです。
 私が好きになってしまったことは『一時の夢だった・・』と思うことにしたのです。(つ
 づく)
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