小説 舞の楽園 ( 転落の人生 )
- 2020/05/25
- 00:56
転 落 の 人 生 { 57 }
「娘達は『判った・・』と言ってくれている。けれども・・お前を『お母さんとは呼
べない』と言っているんだ・・」
「『その人は美子さんと言うのね。美子さんに会ってからだわ・・』とも言っている」
「明日、娘達が俺の決めたアパートに来て、最終的に契約をするんだ。その時に娘達に会
ってはくれまいか・・?」
「ちょっと早いかも知れんが・・こう云うことは早い方が良いと思っているのだ・・」
彼は頭を下げています。
『どうせ・・彼を諦めるのならば早い方がいいわ。だけど・・当分の間泣いて暮らしそう
・・ね』と私は思っていました。
結局、娘さん達の入居するアパートへ彼と一緒に行くことになりました。
翌日、彼に待っていて貰って美容室へ行きまして髪を切って貰って、ウェーブを掛け若作
りをしました。イメージチェンジをしたかったのです。
その夜も、若い男女のように肉体を求め合いました。
所長さんはまだまだ壮年なのです。私は乱れに乱れた見たいです。だって・・嬉しかった
のですもの・・
SEXが終わって、浴室で泡だらけの彼の分身をお口に含んで綺麗にしてから、お布団の
上で全裸の私の白い背中を中心に爪先でなぞられている私に社長さんは言いました。
「美子。好きだよ。美子の白い躯を見ていると、犯したくなるから・・不思議なんだ」
「わたくしも・・社長さんが好きよ・・ううんっ大好きよ。こんなわたくしでも良かっ
たらば・・わたくしを社長さんのお宅へ連れて行って下さいませ・・」
「だけど・・結婚は出来ない・・わ。日本では同性婚は認められてはいないのよ・・だ
から・・ダメ・・」
私は身を翻すと、背中を撫ぜている社長さんの男根に手を伸ばして、ちょっと蓮っ葉に
言いました。
「しかし・・」
「社長さんのお母様がわたくしをお気に召して頂けたらのお話ですが・・わたくしを家
政婦として雇って頂けませんこと・・・?無給でいいわ。一生懸命働きますことよ・・」
社長さんの「しかし・・」と言う言葉を遮って言いました。
この身のことを、こんな場所で、こんな丸裸の状態で言うことではない・・と思いまし
たが、『優しい社長さんと一緒に生活出来るならば・・もう何もいらないわ』と思った
ほどです。
「コンニチハ」
「コンニチハ」
2人の双子の娘さん達はとても可愛らしく、明るい素敵なお嬢様達でした。
私をお父さまが好きになった人と言う見方をしてくれまして、まるで女に接するように
扱ってくれました。
女子高生として・・男友達を好きになったことはあるのでしょうか・・?本当の恋愛は
まだしたことがないような清純さと同時に、SEXのことは深くは知らないと言う危うさ
見たいなものが、私を羨ましがらせております。
「これから原宿へ行くのよ・・」
娘さん達は何の屈託もなさそうに言って、1時間半ばかりの喫茶店での私の面談を終え
て原宿へ向かいます。今日は新宿のホテルへ1泊して、明日帰るそうです。(つづく)
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