小説 舞の楽園 ( 孫の彼女になって1年 )
- 2020/08/31
- 00:31
孫の彼女になって1年 ( 39 )
玄関の明かりを点けて扉を開けました。玄関先に立っていたのは娘と娘婿でした。
「お父さん」
「お義父さん」
2人は同時に声を上げています。ご近所の手前もあるようで流石に小声ですが、私の完璧
な女装姿には驚いたようです。
「さあ、お入りなさいな・・」
静かな声で言いました。女装姿を娘と娘婿さんに見られるのはとっても恥ずかしかったの
ですが、でもこうなったら逃げも隠れることも出来ません。『いずれはお話をしなければ
ならないわ・・・』と思っていました。
それが・・・今日になっただけです。
覚悟を決めて・・と云うより開き直って、2人を家の中に招き入れました。勿論、女にな
っているのだから女言葉を使ってです。
もう私は男に戻る積りもありませんし、実際に肉体を弄って男には戻れませんから、最後
まで女に、いえ雄様のオンナとしての態度を崩す積りはありませんでした。
食事室兼リビングにある2人掛けのソファーに放心している2人を案内して、座って
貰いました。そして、雄様が食卓テーブルの椅子を2つ2人が座っているソファーの前に
置いて、片側に座りました。
「どうぞ・・・」
お茶を入れて無言で緊張している3人の前に置いてから、私は膝を揃えてスカートの後ろ
に手を当てて、背筋を伸ばして座りました。この女らしい仕草も、この8ヶ月の雄様の女
としての生活で身に付いたものです。
「お父さん。どうして・・・どうしてなの・・・」
今までキツイ表情をして激情を抑えていた様子の娘が私の座る仕草を見て、堰を切ったよ
言い出しますが、感情が高ぶるのか声にはなりません。
「だからさ・・・昌子は俺のオンナになったんだよ・・・」
隣に座った雄様の落ち着いた声がしました。雄様は完全に開き直って、むしろフテブテし
い男の態度です。
「昌子は女になる手術を受けたんだ!オッパイを膨らまして、去勢をして、クリも1/3程
に切って、脱毛も受けさせたのだよ・・」
父親と母親を前にして、衝撃的な事実を平然と口にしております。
「何だったら・・・見せてやろうか?俺の言っていることが理解出来ないようだから・・
。オイ、昌子。脱いで、お前の肉体を見せてやれ!丸裸になるんだ!」
ポカンと口を開けている両親の前で、恥ずかしさで蒼い顔をして俯いてしまっている私に
向かって、飛んでも無いことを言い出したのです。
雄様はこう考えたようなのです。
『父親とお袋の怒りが向かわないように、昌子は俺のオンナになったのだ・・と云うこと
を知らしめるために、俺のオンナに成り切っているのだと云うことを知らせる必要がある
・・・』
『もうこうなったら・・・昌子には酷いことかも知れないが、全裸になって身体を両親に
みせてやるしか方法は無い』
『どうせ、縁を切られてしまう俺と昌子なんだから・・・』
と、です。(続く)
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