小説 舞の楽園 ( 息子の友達 )
- 2020/09/09
- 23:51
息 子 の 友 達 { 1 }
< 突然の降雨 >
私は東京に近いある地方都市に住んでいます、×1の男性です。今年で45歳になり
ました。
息子の光太が中学1年生の時に妻と離婚をしまして、それ以来息子と2人でこのマンショ
ンで暮らしております。
妻と別れてから、女性と云う者に不信感を抱くようになりまして、女性とはお付き合いを
していません。
えっ、「不信感を抱くようになった・・?」って、ですって・・
そうなのです。妻の不倫が原因なんです。
私は妻を愛していましたから妻1筋でした。それが、突然「別れて下さい・・」と言われ
た時には驚きました。
それも・・「どうしてなんだ・・?」との問いに、「あなたのものが小さいからよ・・」と
言われた時には卒倒するぐらいのショックでした。
勿論、離婚の原因は一方的に妻の浮気にありますので、妻からは(本当を申せば、妻の実
家からです。妻の実家は裕福なんです)このマンションと相当の慰謝料を貰い受けました。
そのお陰で、私はお勤めにも行かずにこの地方都市のマンションで、彼のオンナになって
暮らしています。
妻と離婚しまして、勤めていた会社も辞めて1年後、今から3年前に私はオンナになった
のです。正確に言うと彼氏が出来たのです。
えっ、「男じゃないのか・・?彼氏が出来たって・・?」とお思いになるでしょうね。
そうです。私に出来たのは彼女ではなく、若い彼氏なんです。
その若い彼氏に「ひかり」と言う名前まで頂いて、オンナにして頂いたのです。
その彼氏と云うのが・・息子の中学校の同級生だった翼様なのです。
息子と翼様は同じ中学から同じ高校に進んで、今も大の仲良しなのです。
今日も翼様は学校の帰りに私のマンションにお立ちよりになり、オンナになった私を優し
く抱いて下さって、「ひかり。とっても・・可愛いよ。愛しているよ・・」と申して下さ
るのです。
あれは・・3年前の6月の下旬のことでした。
中学2年生になった息子の光太が学校の帰りに友達を連れて帰って来たのです。それが
翼様だったのです。
息子と翼様の通っている中学校は、私のマンションから歩いて20分程のところにありま
す。翼様のお家は1本裏通りを、もう7~8分歩いたところにあります。
「入って行けよ・・!」と云う息子の声が聞こえまして、玄関を開ける音がしました。
「ただいま」と叫ぶ声も聞こえました。
私が玄関に出て行きますと「急にザアーと振られちゃった。ビショ濡れになっちゃった」
と息子の光太が本当にビショ濡れの姿で立っています。
次いで、「翼君だよ。お父さん会ったことはあるよね・・」と玄関に入って来た友人を紹
介しています。見ると、確か中学校の運動会で会ったことのある少年が立っています。
2人共ビショビショです。上に来ている開襟シャツが身体に張り付いていて、学生ズボン
から水が滴り落ちていました。
私は家の中に居て気が付かなかったのですが、急に雨が土砂降りに降って来たようです。
開いた玄関から、雨で表が見えないことに気が付いたのです。
玄関の扉を閉じた息子と並んで立った2人からは、見る見るうちに水滴が滴り落ちて溜
まって行きます。(つづく)
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