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小説 舞の楽園 (息子の友達 )


         息 子 の 友 達    { 2 }
   息子より頭1つ大きな男の子が「お邪魔します・・山中翼です」と言ってペコンと
 頭を下げています。その長髪の頭も水滴が流れていました。
 「おや、まあ・・早くシャワーを浴びて・・そんなに濡れていては、寒いだろう・・い
 いから!早く・・!」
 水が滴っている2人を見て、シャワーを浴びるようにと促しました。
 翼様は見る見るうちに水が溜まって行く玄関を見て、上がることを躊躇してるようだか
 ら・・です。
 『今時の男の子にしては、礼儀正しい男の子だ・・』と思いながら、手を引いて玄関に
 上がってもらいました。
 引いた彼の手は若いからでしょうか、表面は冷たいのですが内部は熱を持ってポッポと
 熱いのです。

  2人はシャワーを浴びております。
 私は洗面台に入れてある2人のシャツとズボンと下着を洗濯機に入れてから、2人の為
 にトランクスを2枚出しました。
 妻が出て行ってから、息子の部屋に入ることは数えるほどしかありません。息子の部屋
 は何か男臭い匂いがしていました。
 「ここに・・パンツを置いとくね。光太。お前のを翼君に貸してやれよ・・な」
 浴室の内部に声を掛けています。
 翼様でしょうか、大きい影が小さい影と入れ替わってシャワーを浴びていました。

  私はベランダに置いてあったバケツを持って行き、雑巾で水が溜まっていた玄関のタ
 イルを拭きました。
 何回か雑巾を絞って『さあ・・終わった』と思った時に、バケツにお尻を乗せてしまっ
 て、バケツをヒックリ返してしまったのです。本当にドジな私です。
 バケツは跳ね上がって、雑巾を絞った汚い水が頭から被ってしまったのです。着ていた
 白いシャツと白いスラックスが汚水でベットリと汚れてしまいました。
 「ワアァ・・如何して・・」
 悲鳴を上げている私です。

  「如何したの・・ああっ。僕が抜いて置くから・・早くシャワーを浴びてお出でよ・
・・」
私の悲鳴に驚いた息子がトランクス1枚の裸で顔を出しました。すっかり全身が汚れて
しまった私を見てそう言いました。
「ウン。そうするよ・・」
自分の失態に動揺して、汚水で汚れた頭を振ってそう答えています。

  雑巾水を頭から被ってしまった私は汚れてしまった着衣を焦って脱ぎ捨てると全裸に
 なりました。パンツまでビショビショです。
 そして・・翼様のまだ入っている浴室の折り戸を開けていました。
 「雑巾水を被ってしまって・・」そう小さな声で弁解しながら入って行ったのです。
 中では翼様が立って、雨でぬれた髪を洗っていました。
 「ン・・?」
 彼は浴室に入って来たのは私では無く、息子が戻って来たと思ったようです。ちょっと
身体をズラしてはくれたのですが、白い泡の付いた髪を洗うのは止めませんでした。

  後ろを向いて立っている中学2年生の翼様の躯は細いけれど、脚や腰には筋肉が付い
 ていまして逞しいのです。綺麗な若者の裸でした。
 これは後で息子から聞いた話ですが、翼様は幼い頃よりサッカーをしていまして、ポジ
 ションはセンターフォワードだそうです。センターフォワードと言われても、スポーツ
 音痴の私にはちっとも判りません。
 息子の少年期から青年期へ移る前の身体とは違って、スガスガシイ位の若い男性の躯で 
 した。
 小柄な私より頭1つ大きい翼様の裸の後ろ姿に、思わず息を飲んで見詰めてしまったの
 です。(つづく)






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