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小説 舞の楽園 ( 障害者の息子 )

   
         障害者の息子   < 34 >
    アヌスが疼くと『ああ・・・私は正人様のオンナになったのだわ・・・』と思い
 感じています。
 『息子とアヌスで交わってしまった』と言う後悔も、『近親相姦に値するのだわ・・・』  
 と言った後悔も、もうしてはいませんでした。
 前にもお話ししたと思いますが、私の職場では近親相姦の噂もある方も、多数ではな
 いにしても、数人は知っています。
 そう云った環境だからでしょうか・・・私には罪の意識は薄いのです。
 障害を持った子供さんが成長して自慰をしたりすると、どうしても可哀想になって
 しまって、特に母親は『どうしてこの子を産んでしまったのだろう・・・』と自責の
 念に駆られるらしいのです。
 そして・・・つい自分の肉体を子供さんに投げ出してしまうようです。
 障害者の子供さんと親御さんの近親相姦をとやかく言うのは、私は無責任だと思うの
 です。

  私の場合も父親と息子の関係ですが、それでも根っこは同じことだと考えるのです。
 息子は私を彼女にしたいのだと、この2か月の間に分かりました。私は女性に成り
 切ることにいたしました。
 幸いなことに、私の職場のお仕事は男だから出来る、女の人だから出来ないと云う
 ことはありません。それは力仕事もありますが、非力な私でも出来ますので、心配
はしておりません。 
正人様が『土・日だけでは無く、普通の日も女に成って暮らして欲しい』と思って
いることを私は知っています。
それですから・・・私は完全に女になることを決心したのです。
ただ、急に女性の姿になって職場に行くことは、幾ら女性になることを決心したと
言っても抵抗があります。ですから・・・今まで通りの男性の姿で通っていました。
亡き妻のお化粧品とお化粧道具を使いまして、お化粧も大分上手に出来るように
なりました。唯一、男の印だったゲジゲジ眉も細く剃って、女性の仕草にも慣れて
抵抗なく出来るようになりました。
 
 あっ・・・眉は全部落とした訳ではありません。施設に行かねばなりませんこと
を考慮しまして、上下を少し剃り落しただけです。それでも、女性の眉になりまし
た。
私が女性化しますのを、職場の皆さんにも段々と慣れて貰おうと考えたのです。
事実、その月曜日に出勤したときには、「飛田さん。何か変ったわね・・・」と経理
の川本さんからも言われてしまいましたし、[何かあったの・・?]とパートの女性
からも言われてしまいました。
私は「何も無いですよう・・・」と何時もの口調で誤魔化しておりましたが、『これ
ならば、眉をもっと細くしても女性になっていることはバレないでしょう・・・』
と考えて安心していました。
『バレたらバレたで仕方がないわ・・・』と云う気持ちもありました。

  施設長さんは無口な人ですから、眉を幾分細くした私をジロリと見ただけで何も
言いませんでした。
この施設長さんは表面上は恐ろしそうな方なんです。しかし、根はやさしい方で、
責任感も強くって頼りがいのある方なのです。
この施設に私がお勤めを始めた15年前に市役所の課長さんで、私が妻の世話をしな
ければならないことを知ると、何かと便宜を図って下さった方なのです。
施設に雇用して下さって、まだ妻の面倒を見ることでお休みすることが多かった
私を、「いいよ!奥さんの面倒を優先させなさい・・・」と言ってくれたものです。
年齢は幾つも離れていないのですが、私の父親のような存在です。
ですから・・・この施設長さんには、恥を忍んで私が女になった経緯をお話ししよう
と考えたのです。
それと・・・「女になった姿で施設に出勤しても良いでしょうか・・・」と聞こう
と思ったのです。
本当のことをお話ししたら、施設長さんは判って下さる・・・と思ったのです。(続
く)

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コメント

No title

舞様、いよいよ大事な場面になってきましたね。

カミングアウトするか、どうか、迷ってしまいそうな場面です。でも、ためらわずに相手に伝えてみる。
そのことで、障害を持つ彼の妻として、強く生きていけるなら、応援したいです。
私も、女性として働きたいという方の気持ちにより添いたいです。

No title

ゆり様
お読みいただいてありがとうございます。
カミングアウトをするかどうかは施設長のご判断です。
ゆり様の小説も読ませて頂いておりますわよ。
コロナの季節ご自愛下さいませ。
           舞

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Author:舞
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