小説 舞の楽園 ( オトコとオンナの関係 )
- 2020/12/25
- 00:02
男とオンナの関係 ( 2 )
母の葬儀を済ませた父は暫くはボンヤリと覇気のない性活を送っていましたが、これ
ではイケナイと思ったのでしょう食品会社に就職をしたのです。
僕が高校2年生の時だったように思います。
当時はバブルは終わっていましたが、今ほど就職には苦労をすることなく、食品会社には
入ることが出来たようです。
その食品会社も東京に本社がありましたので、母が亡くなった後も3年程は父と一緒に
埼玉の家に暮らしていました。
僕が大学に入った翌年に、父の会社は大阪に新営業所を作ったようです。
父はその営業所の営業部長として大阪に転勤しました。それ以来埼玉の家は僕1人です。
最初の頃は、父は土曜日になると新幹線を使って埼玉へ帰って来ていました。僕が
行ける時は、父の会社の寮になっているアパートへ行っていました。
大学3年生になった年のことです。夏休みになった最初の日曜日に、父の住んでいる
アパートを訪れたのです。
夏休みに入る前に、「来週は友達と出掛けるので・・行けない。再来週には行く・・よ」
と電話を父にしておりました。
ところが、友達が急に都合が悪くなってしまい、することが無くなった僕は父のアパー
トを訪れることにしたのです。
何時もは(・・と言っても、2か月に1回程度でしたが・・)土曜日に父の寮に
行き、日曜日に帰ってくると云うことをしていました。
父は、今週は僕が来られないものだと・・思ったようなのです。
それに・・今から10年ほど前ですので、大学生の僕は携帯電話など持ってはいなく、
家を出る時も途中の駅からも連絡はしませんでした。
勝手知ったる電車とバスを乗り継いで、父のいる借り上げのアパートの部屋の前に
立っていました。
このアパートは4戸並びの2階建てで、父の部屋は2階の1番奥でした。
僕は玄関に着いているブザーを押しましたが、父の出て来る様子はありませんでし
た。『この土曜日に行くと云うことを連絡しなかったので、父は出掛けているのか
な・・』と思ったのです。
預かっていた鍵を取り出して、アパートの中にはいったのです。
後で父に聞いた話では、「玄関のチャイムの調子が悪くって、本社の総務課に電話を
したのだけれど・・まだ直っていないのよ・・」
犯して、スッカリと女になった父は言っておりました。勿論、女言葉で話すように
躾てありますので・・女の言葉です。
チャイムが壊れているなんてちっとも知らない僕は、声も掛けずに玄関に上がり
ました。
すると・・ブ~ンブ~ンと何かが廻るような密やかな音と、グチャッ・グチャッと
掻き回しているような淫らな感じの音が玄関と部屋を仕切っている扉の内から聞こ
えました。
『何をしているのか・・』と不思議に思いました。(つづく)
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