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小説 舞の楽園 ( オトコとオンナの関係 )

          オトコとオンナの関係    ( 14 )
僕がシャワーを浴びている間に食パンを焼いて、先に作って置いたハムエッグを
 盛り合わせ、早苗は朝食の支度に大童です。
 浴室から出た僕は大概ボクサーパンツ1つで上半身裸のまま食卓に座るのです。その
 間に早苗は2人分のコーヒーを注いで僕の前に置きます。
 「早苗。今日は一段と綺麗だよ!段々と女振りも上がっているね・・」
 「まぁ・・恵介さんたら・・。お誉め頂いてありがとうございます。うれしい・・わ。
 今夜も可愛がってくださいまし・・ね」
 早苗はちょっと頬を染めて嬉しそうにハニカンデいました。
 母がそうでしたから、僕は上品な物言いの女が好きなのです。
 それを知っている早苗は、僕が強制した訳でもないのに上品な女言葉を使うのです。
 僕はそんな早苗が愛しくって耐りません。

  早苗は僕の言うことには絶対に逆らうことをしません。僕の言うことには絶対に
従おう・・と決めているようです。
夜のSEXの時などは、奔放な女の姿態を取り、僕が言えと言った恥語をまき散ら
すのです。
僕は昼間会社に行っている早苗を知りませんが、どんな顔をして部長を務めている
のかと思うと可笑しくなります。
僕はそんな早苗が可愛くて、もうベタ惚れなんです。

 朝の食事が済むと、平日は早苗は会社に行かなければなりません。
僕が新聞を読んでいる間に、もう1度、手早くシャワーを浴びた早苗は昨晩のSE
Xの名残と朝のお化粧の匂いを落とします。
「今日・・ね。営業所の部下の女の子に・・ね。『部長さん。いい香りがしますね。
香水を使っていらっしゃるのですか‥?』と言われた・・わ」
「『昨晩の夜の女の人の移り香かな・・そんなに匂うかい・・?』と言って誤魔化
したのだけど・・焦ってしまったわ・・」
「明日からは・・注意をして・・良く洗って行かなければならないわ・・」
それから1週間も経った頃でしょうか、一戦を終えて僕がタバコに火を点けている
と早苗が軽く寝化粧をした目元を赤らめて言ったのです。
「うん。そうした方がいいね・・」
僕は頷いていました。
一般的に、女と言うものは嗅覚が男よりも良いものでしょうか・・?化粧や香水の
匂いには敏感なものです。
「注意して行った方がいいよ・・!まだ会社を辞める訳には行かないんだろう?」
「ええ・・本当は女になりたいのですけれど・・」
僕が訪ねるとチョット悲しそうな表情を作りました。それを見て、『早く就職して
父を、否、早苗をもっと自由にしてやりたい・・」と思ったのです。
前の会社に勤めていた時に貰った退職金は、母の入院費用と僕の大学の入学金に
消えてしまって、今はお金に余裕のある状態では無いことは僕も解っていました。
その後、悲しそうに落ち込んだ早苗をもう1回抱いて、天国へ連れて行ってやっ
たことは言うまでもありません。(つづく)

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