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小説 舞の楽園 ( オトコとオンナの関係 )


          オトコとオンナの関係    ( 19 )
  その夜は、早苗が購入して来た衣装を着て変身してくれました。
 完全に女になった早苗をストリップ嬢のように何回も着替えさせては、その身体を抱いた
 ことは言うまでもありません。
 早苗は僕の猛り立った男根によって、何度も何度もエクスタシーに達したのです。

  ツアーですが、昼間は自由行動を申し出て、女装した早苗とバンコクの寺院や王宮を
 見て回りました。
 南国の太陽に照らされて、ホテルの近くで買った原色のドレスが細い紐で吊った早苗の
 両の肩に白く輝いて、見る人が眩しかったとおもいます。
 女になっている早苗も外歩きに自信が持てるようになったみたいです。

  唯一、バスでクワイ河マーチで有名な鉄橋を見に行くときには、僕達2人もツアーの
 皆さんに同行しました。
 「嫌だわ・・周りの皆さんにバレてしまいますわ・・」
 同じツアーの日本の人が乗っている観光バスに、早苗は乗ることを嫌がりましたが、早
 苗のスッカリと女になった観光旅行の態度を見ていた僕は「早苗。自信を持て!解って
 もいいじゃないか・・判らないと思うよ・・」と言っています。
 早苗は僕の言うことには逆らいませんので、行くことになりました。
 前日にも、前々日にも、ホテルの朝食と夕食のバイキングの時には、女になった早苗を
 連れて食堂に行っていますから、そんなに怖がる必要はない・・と判断したのです。

  その日は朝食を早めに取って7:00にバスに乗り込みました。
 現地人のガイドさんが今日1日は案内してくれるそうです。
 周りの日本人の人達も、僕達を変な目で見ている人はいないようです。一安心です。
 初めは緊張していた早苗も落ち着いて来たようえす。
 受け答えも女の口調で、もう何処から見ても女性そのものです。

  バスは4時間ばかり掛かって鉄橋の現場に着きました。
 小さなトロッコのような電車がクワイ河を渡っています。
 僕達は電車に乗り向こう岸に渡り、帰りは鉄橋を歩いて帰って来ました。
 鉄橋をバックに写真を撮っていると、バスの僕達が座った座席の通路を挟んだ向こう側
 に座っていた40代の後半のご夫婦が、2人並んだところを写真に撮ってくれました。
 そのご夫婦とはバスに乗った時に目礼を交わしていました。

  ご夫婦とは河岸にある水上レストランで昼食も一緒のテーブルで採りました。
 気さくなご夫婦で僕達は互いに自己紹介をしました。
 「僕は上村恵介と言います。大学を卒業するので卒業旅行です。こちらは早苗と申し
 ます。僕の大切な彼女です」
 まさか知らない人に早苗のことを父だとは紹介出来ません。僕は彼女と紹介しました。
 ご夫婦は僕と見た目、幾ら若く見積もっても40ぐらいに見える早苗の年齢差に興味
 を持ったようです。「僕の彼女」と言う紹介には、2人共目が丸くなりました。
 「早苗と申します。宜しくお願いいたします・・」
 早苗の声はちょっと低いけれど、完全に女声です。
 咽の手術をした訳ではありませんが、余程の練習を積んだのでしょう。その声で挨拶
 をして丁寧に頭を下げていました。(つづく)
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