小説 舞の楽園 ( オトコとオンナの関係 )
- 2021/01/14
- 23:49
オトコとオンナの関係 ( 21 )
ただし・・肩を出している早苗の方が色は真っ白です。
7部袖の肌が透けて見えるこげ茶色のブラウスを着た奥さんの方が日に焼けている感じな
のです。
『早苗はもうスッカリと女なのだ・・!今回の旅行に連れて来てやって良かった』と思い
ながら、腰を振って歩く2人の後ろ姿を見送っていました。
「タバコでも・・吸いますか・・?」
喫煙コーナーに移動した僕達は、奥さん達を待っている間色々と話をしました。
「早苗さんは色が白いのですね・・そこへ行くと、女房なんかは色が真っ黒で・・」
「素敵な奥様じゃありませんか・・?仲が良くて・・羨ましいですよ・・」
斎藤さんは2人を見送って、早苗の色の白さに吃驚したようです。
それから・・斎藤さんは一部上場の誰でも知っている会社の部長補佐であることや、
子供が居なくって寂しいこと等を話してくれました。
斎藤さんと僕は仲良しになりました。
けれども・・帰りの飛行機の中では、早苗は男に戻らければなりません。斎藤さんに
早苗が男であることがバレてしまうと思うと、ちょっぴり怖いのです。
その後40分位は、早苗と奥さんは土産物屋を見て廻っております。
それを待っている間に僕と斎藤さんはスッカリと打ち解けていました。
帰りのバスの中では、奥さんと早苗が2り並んで座席に座ったのを見ると、斎藤さん
ご夫婦には僕達は余程気に入られたようです。
そして・・その日の夕食から斎藤さんご夫婦と同じ席で食事をご一緒したのです。
その日の夕食の後、オプションでニューハーフショウを見に行くことにしました。
ツアーのお客の2/3ぐらいがバスでショウの会場に移動です。
ニューハーフショウは綺麗にお化粧をした女と見誤うばかりの男性が肌も露わに
ショーを繰り広げるのです。
大勢いる踊り子の中には、如何にも男性がお化粧をしていると云った人もいました
が、光線の加減か大半の子は女性よりも女性らしい姿と顔立ちをしています。
楽しいショーでした。
でも僕はもっと卑猥なショーを期待していたのですが、健全なショーばかりでチョ
ッピり期待外れだったのです。(これは内緒の話です・・)
隣に座っている早苗の方が、女らしいと云えば女らしく僕には思えるのです。
隣で見ている斎藤さんご夫妻も「綺麗だわ・・」と感心して見ています。
見終わって劇場を後にする時に「ああいう人達をどう思われますか・・?」と聞い
たところ、「別に・・いいんじゃない・・」とアッケラカンと答えております。
性というものには拘りが無い見たいです。
僕と早苗とは顔を見合わせて、一安心といったところです。
何故かと言うと・・嫌でも明後日、帰る時には早苗は男に戻らなければなりません。
これだけ仲良くなった斎藤さんご夫妻に早苗が男であることがバレてしまうのです。
それでなければ日本に帰ることが出来ないのです。
男に戻った早苗を見て性には拘らずに、嫌悪感を持たれないように願うばかりです。
(つづく)
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