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小説 舞の楽園 ( 万引き )


         「万引き・3」
  (その2)
 この就職難の折、折角手に入れた警備員の職を失うのも嫌だったが、この中
年男を抱き締めて犯して見たいと思ってしまったのだ。
丸裸に剥かれて、寒さもあるだろうが屈辱に震えている色の白い全裸の中年男
を・・である。
「ケツを突き出せ!!」
言われるままに後ろの壁に向かって立った、哀れな男に向かって吼えた。
この中年を、今は徹底的に恥辱地獄に落して羞恥を味あわせて、自分自身を
どうしょうも無いまで追い込んで、自分が犯されたのは万引きをした罰だった
のだと思わせるように陵辱してやろうと、貢は考えた。
<パッ。カシャッ>
「アッ・・」
フラッシュの光が閃き、シャッターの音が背後から聞こえて、男が悲鳴を上げ
た。
<ピカッ。カシャッ>
背後に尻を突き出しているのを1枚。慌ててカメラの方を向いたところを1枚
撮られてしまう。
お尻を突き出している写真には、綺麗に締まった菊の蕾までが写っているはず
である。
「そんな・・酷い・・」
男が泣き出している。両目から涙がポロポロと零れた。
「そこに座れ!悪いことをしたと反省しているのか?うん・・」
前を向かせて腕を下ろさせ全裸の全身像を撮ってから、貢は身分証明書をコピ
―した。それを机の上に置いて、丸裸で泣いている男に側の椅子に腰掛ける
ように命令した。
「はい。悪いことをいたしました。魔が差したのです」
涙声で言い、右手を上げて腕で涙を拭った。正面に座った貢の位置からは、男
の腋の下が見えた。白い躯に僅かばかりのその腋毛は、貢の欲情をもっと掻き
立てるのには充分だった。

 「このところ、このホームセンターでも万引きが増えてな・・・」
貢は欲情を抑えるのが精一杯だ。
「このように、店内を防犯カメラで見張っているんだ。俺も万引き犯を捕まえ
るために、ここに雇われているんだ」
カメラのモニターを指しながら、貢は言った。
男は脚を閉じて秘部を隠して、丸裸の身体を縮めて微かに頷いた。縮こまった
男根は股の間に隠されていて見えない。
「後ろを向いて貰ったのは、アヌスの中に何か隠しているのではないかと心配
して、後ろを向いて貰ったのだ。写真も撮ったし、もう、逃げられないぞ!」
丸裸の男は涙目を瞬かせながら、俯いたままだ。
「本当ならばアヌスの中まで調べなくてはいけないのだが、何も隠していない
と確信する。ちょっと事情聴取をしたいのだが、ここでいいかな?」
今のところ、お前の万引きは俺しか知らないんだ。ここで全裸のまま取調べを
受けていて、他の人が入って来たらお前の万引きは知られてしまうんだぞ・・
と、言う意味を込めて貢はワザと聞いた。
丸裸にされた哀れな男は、貢の言外の意味を理解したようだ。そして、他の人
に見つかれば、警察に突き出されると思ったようだった。
「ここでは無い方が・・何処へでも行きますから・・」
勘弁してくれるのなら勘弁して欲しいとの思いを込めて言っている。
「ヨシ!この裏に俺のアパートがある。そこで調べよう!」
「やった」と貢は思った。男が万引きした物件をカメラに撮ってから、男の
衣類を紙袋に入れた。身分証明書だけは着替えたジャンバーのポケットに入れ
た。
「裸ではなんだから、コートだけは許してやる。コートと靴を履いてその扉
の外で待て!いいか?逃げるんじゃないぞ!!」
貢の勤務時間まで後15分だ。今日は早退だなと認めながら、紙袋を男に渡し
て自分より先に裏口から外に出し、自分はタイムカードを押す。
守衛に見つからなくてよかったと安心しながら外に出ると、表で待っていた
男は、靴だけを履いた素足が白く街灯に光っていて、ブルブル震えながら待
っていた。
外は風こそないが、寒い夜だった。(続く)
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