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小説 舞の楽園 ( 続 万引き )


         (続) 万引きー6
    (4)万子の決心
 「おっ・・」
案の定、譲は驚いていた。
玄関に脱ぎ散らかした譲の靴を揃えて置いた万子の腕を取って立ち上がらせる
と、いきなり抱き寄せている。
「万子!」
譲の息が荒くなっている。
「ちょっと・・」
上を向いた万子の紅を塗った真っ赤な唇が「待って・・」言おうとしたが、譲
の唇で塞がれてしまっていた。
譲の舌が性急に万子の口に入って、口の中で暴れている。永い永い接吻だった。
「俺のために化粧をしてくれたのか?」
息が上って喘いでいる万子の丸マッチいお尻を撫で、スカートを巻くり上げな
がら譲は聞いている。
「ええ・・あなたが喜んでくれると思って・・わたし、あなたの女になりたい
の・・あなたの奥さんになりたいのよ。いいでしょう?」
万子はズーと前から考えていたことを口にしている。もう、男と女の二重生活
は耐えられなかった。全てを捨てて女として、いや、出来るならば譲の奥さん
にして貰って生活することを夢見ていたのだ。

 幸いにして、妻は中学校で教員をしていた。今、万子の家族が住んでいる家
を与えるならば食べることには困らないはずだった。
娘のことは気にはなるが、娘も今年の4月から中学生であるし、娘は妻の方へ
ベッタリと着いていて愛情は薄かった。
会社の方は、暫くは勤めるつもりであった。譲が許して貰えれば、このアパー
トから会社へ通う積りであった。 
「いいよ。万子さえ良ければな・・俺の方は大歓迎だよ。しかし、家のほうは
大丈夫なのか?」
譲もそのことを心配していた。
「いいのよ。妻とはもう愛情も無くなって久しいし・・離婚するわ。」
「あなたと・・・生活をしたいのよ・・・」
万子は決心したように言った。

 譲が風呂に入って、夕食も済んで晩酌をしながらテレビのナイターを見てい
ると、万子が食器を洗い終えて、2人分の布団を敷いている。
「万子。こっちへ来ないか?」
女らしい格好をした万子を呼んでいる。万子は近づいてきて、譲の脇にペタン
と女座りをした。譲は女房がいるような気がしている。
「飲むか・・?」
今日は万子のお持たせのウィスキーであった。
「あらっ・・じゃぁ、1杯だけ頂こうかしら・・」
普段は譲が晩酌をしていても、万子は飲むことはなかったが、今日は呑むと
言う。よっぽど、嬉しかったに相違ない。
万子の白い肌はお酒を飲むとすぐに真っ赤になる。ほんのり紅くなった万子
を見て譲は綺麗だと思う。ますます万子に対する興味が湧いてくるようだった。
「ねぇ・・抱いて。全てを忘れさせて・・」
その万子を横抱きにして膝の上に乗せ口を吸ってやると、万子は小声でおねだ
りをして来た。
「ようし、忘れさせてやる!」
譲は万子を縛るのは今だと思った。
今までは、万子のほうから抱いて欲しいと言うことを言ったことはない。女に
なっておしとやかな万子がそのようなことを言い出すことが珍しかったのだ。
今日は万子も燃えているなと譲は思った。
譲は万子を縛ってセックスをしたいと前々から考えていた。ロープで括って
苛めたら紅色の万子はどんな反応を示すのか興味はつきない。
「裸になって、布団に入っていろ!」
言い終えて飲み残したウィスキーを一口に飲んで、譲は立ち上がると押入れ
の襖を開いた。
確か、引越しの時に使ったロープがこの中にあった筈だと思ったからである。
ロープを探し出して布団に戻ると、いつものように万子が仰向けに寝て布団
の端で面を隠して待っている。もう、パンティも脱いでスッポンポンになって
白い肌を紅に染めているのだと思うと、譲の男性自身はギンギンにいきり立
っていた。
本当に紅色になった万子は綺麗だった。

 万子の顔を隠している布団を捲ると、万子は「何を持っていらしたの?」と
言う目をした。
「万子。お前を縛りたい。そして、綺麗なお前を写真に残しておきたいんだ」
持って来たロープの束とカメラを布団の上に置いてそう言った。
「いいわ。万子の身体はあなたのものだわ。あなたのお好きなようになさって
・・・」
万子はちょっと驚いたように目を丸くして考えていたが、そう答えている。
「万子はあなたに感謝していますわ。万引きしたわたしが警察に連れて行かれ
ても、仕様がないところを助けていただいたのですもの・・こんなわたしです
が、宜しくお願いします」
布団から下りて畳の上に全裸のままで正座をして、頭を下げていた。(続く)

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