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小説 舞の楽園 ( 粕谷整形外科病院 )


    
        粕谷整形外科病院 - < 7 >
  「モシモシ。先生?」
孝子の女声が聞こえて来た。
圭太は心の中で賭けをしていた。『もし孝子が女声で掛けて来たら今夜は孝子を抱こう・
・・・』と、『もし、孝子の声が男の声だったらば、俺は諦めよう・・・』と考えていた
のだ。『俺は賭けに勝った』と小躍りせんばかりに喜んだ。
「孝子か・・?。今、ファイアットホテルの1203号室に居るんだ。来いよ!」
雑踏の音が聞こえるところを見ると、孝子は外に出てから電話をしているらしい。
「待っているよ・・・」
孝子が何か言いかけたが、そう言って電話を切ってしまった。
それから15分ほどして、ドアーをオズオズと遠慮がちにノックをする音がした。
「開いているよ」
ソファーに腰を下ろしたままで圭太は声を上げた。
「失礼します・・・」
女声が聞こえて、孝子が入って来たようだ。見ると孝子は化粧も落として、白のパンツ
に紺色のシャツを着た男姿で来ている。おそらく通勤もその姿でしているようである。

「今日は帰らなくってもいいのか・・・?」
圭太は病院の事務方ではないから、孝子が何処に住んでいるのか、どう云う家族構成を
しているのかは知らない。
短刀直入に聞いていた。それが、今は一番知りたいことであった。もし孝子が家庭を
持っていて「帰る・・・」と言ったならば、孝子は諦めるよりは仕方が無いと思ってい
たのだ。
「ええ。独りなので・・・。下宿に帰っても寝るだけ・・・ですわ」
小さなショルダーバッグを抱えて男姿で部屋に入って来た孝子は、店に居るときのよう
に女声で答えている。
その答えを聞いて圭太は安心をした。と同時に『この女を犯したい・・・』と言った激
情が込み上げて来るのを覚えた。
風呂から出て素肌の上に着ているガウンの前が突っ張って来ているようである。

 「あっ・・・先生!」
突然、圭太が立ち上がって、ベッドの傍まで来た孝子を押し倒した。孝子の悲鳴は途切
れている。
163cmの孝子は178cmの圭太の肉体に押し潰されて、上を向いた口を吸われて
いた。まさかこんなに早く襲われるなんて、孝子は思っても見なかったようだ。
病院では紳士で通っている副部長の圭太である。孝子は隙だらけであった。
「もう・・・強引なんだからぁ・・・」
圭太が口を開放すると、肩を押さえられている下から、欲情に潤んだような眸をして
孝子は言っている。もうその目付きは女の眸であり、女の媚態を滲ませている。(続く)


 
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