小説 舞の楽園 ( 粕谷整形外科病院 )
- 2021/04/17
- 23:39
粕谷整形外科病院 - < 16 >
{ 情交 }
完全に孝子を自分の支配下に置いた圭太は週1、たまには2回くらいの割合で情交を
重ねていた。
孝子は圭太と2人切りになると乱れに乱れて淫乱なマゾオンナになるが、病院やその他
の時には男としての姿勢を崩してはいなかった。
「あんなゲイバーなんて・・・辞めてしまえよ」
孝子を抱く度に圭太は言うが、孝子は「ママさんに悪いわ・・・」と言って辞めようと
はしない。孝子は真面目で、意外と義理堅いところがあるようだ。
そんな孝子に圭太はゾッコンなのだ。
勿論、孝子は大学病院のレントゲン技師の仕事もキチンとしている。
レントゲン技師の仕事は医者の圭太と違って朝が早い。朝8時には患者さんが病院を訪
れてレントゲン室が開くのを待っているのだ。
だから、孝子は7時半には病院へ行っていなければならないのだ。
圭太は朝が早い孝子のために、信濃町と新宿の中間の代々木に2DKのマンションを
借りてやった。
『ここならば、孝子の通勤時間も1/3になるし、孝子が服装に悩むことは無いであろう』
と考えたからである。
それに、ホテルでは味会うことが出来ない温かみが欲しかったのだ。
孝子と付き合い出して半年後、圭太の父親が心筋硬塞で亡くなった。若い女の看護
師を抱いている最中であった。
粕谷整形外科病院の竣工が目前の出来事であった。
病院経営には非常に優れていた経営者である父親は新病院の医療機器はおろか新病院の
スタッフや医者、レントゲン技師、清掃の人達まで揃えてあって、圭太は労せずして
新築なった整形外科病院の院長に納まったのである。
唯一スタッフを動かしたと言えば、優秀なレントゲン技師である孝子を大学病院から
引き抜いて連れて来たことであった。
{ スイッチ }
「孝子。俺はここが張ってしょうがないんだ。ちょっと、診てくれないかな・・?」
圭太は院長の皮張りの椅子に腰を降ろして、ワザとワイルドにワインクをしながら、自
分のズボンの前の盛り上がりを叩いた。
女には優しい圭太であるが、孝子に対しては欲情を隠そうとしないところが圭太らしか
った。
病院に於いてはワザとのように男の姿勢を崩していない孝子であったが、「孝子」と呼
ばれるとこのレントゲン技師の顔は急にマゾオンナのそれになってしまっている。
どうやら「孝子」と呼ばれることが、マゾオンナのスイッチが自然に入るようである。
それを知っている圭太も極力病院内では「内野君」と男の名前で孝子を呼んではいるの
だが、この1週間ほど何だかんだと忙しくて放出をしてはいない反動からか、今日は
「孝子」と呼んでいる。(続く)
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