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小説 舞の楽園 ( 粕谷整形外科病院 )


     
        粕谷整形外科病院 - < 24 >
  部屋に帰ると何時ものように素っ裸になり、お風呂場に行き浣腸と洗腸を繰り返して
お腹の中を綺麗にして体毛を剃った。
何時もはそこで終わって、ゲイバー潤子へ出掛けるのだが、今日は違う。何時もより濃い
目の化粧をして、黒のTバックのショーツを履いた。
圭太が来るときは、上に透けて見えるベビードールを着ているのだが、今日は時間も早い
こともあって、ブラを着けて上にタンクトップを着て、赤いミニを履いた。
スケスケのベビードールを着て君枝看護師長を待つのは、いかにも淫らな女が旦那様を
待っているようで気恥ずかしい思いがしていたからである。
姿見にはちょっと濃い目の化粧をした色の白い女が写って、自嘲的に笑っていた。

 時計の針が8時を20分ばかり廻っている。インターホーンがピーンポーンと鳴って
来訪者を知らせている。
「はい」
「橋立です」
きんちょうしてホーンに出ると、婦長の声がしてロックを解いた。
君枝婦長をどのようにしてお迎えしなければならないのかと孝子は考えていたが、考え
が纏まらないままお迎えをしなければならなかった。結局、濃い目のお化粧と黒のタンク
トップと赤いミニのままでお迎えをすることになった。
孝子は玄関の錠を外すと、玄関に正座をした。
コツコツとハイヒールの音が聞こえて扉の前で止まるまでの2~3分は、孝子にとっては
死ぬほどの永い時間であった。

 あらかじめ錠を外して置いた玄関の扉が開き君枝が入って来た。
「いらっしゃいませ・・」
「あら・・・お出むかいしているのは感心だけど・・・洋服を着ているの・・・?」
ミニから出ている白い膝を揃えて正座をしている孝子を見て、君枝はちょっと失望した
ように言っている。
「奴隷女の制服は全裸よ!服を脱いで丸裸になるのよ」
そして、厳しい口調で命令している。病院からこのマンションに来るまでの間に、自分
のSの気分を高めていたような言い方だった。

 「は・・はい」
孝子は驚いた。君枝がSの女王様だと言うことは、今日の昼間の圭太との会話でおおよそ
判っていたが、いきなり言われて面食らってしまっていた。
『これは・・・素晴らしい女王様だわ・・・』と思っていた。『マゾの自分にはピッタリ
の女王様だわ・・・』と嬉しくなったのだ。
孝子は圭太と付き合うようになって自分の中のM性に気付かされ、段々と更新して行く
のを自覚していた。肉体的には大満足をしていたが、精神的には「もっともっと苛められ
たい・・・」と思うようになっていた。
これから君枝女王様に如何いった責めを受けるのが不安であったが、何か期待してしま
うものがあった。
『君枝女王様にお仕えしよう・・・』と考えたのだ。瞬間的に返事が口から出ていた。
「いらっしゃいませ・・・女王様」
恥ずかしそうに白い全裸になった孝子は改めて玄関に正座をして、両手を突いてそう
言っていた。(続く)
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