小説 舞の楽園 (
- 2021/05/09
- 23:27
粕谷整形外科病院 - < 36 >
{ 夫婦の奴隷 }
「ところで圭ちゃん。あなたは孝子様をこんなにしたのだから・・・責任を取って
もらわなければならないわね・・・」
「内野さんはわたしの旦那様になったのだから・・・この部屋では一番偉いのよ。判る
でしょう・・・?」
ややあって、君枝が圭太に向かって言い出したのだ。もうそこには女王様としての今ま
までの君枝がいた。
『現在の状況いずれは解消することになるわね・・・』とは思っていた君枝だったが、
孝子のためにも出来る限り続けようとしていた。
『自分も圭太の男性自身を必要しているように、いやそれ以上にマゾオンナの孝子がそれ
を必要としている』のを知っていた。
『孝子が夫になったからと言っても、圭太との交合を取り上げてしまうのは孝子の精神上
良くない・・・』と思ったのだ。
『それは張り型やバイブなどを使って、一時的には孝子を満足させられるかも知れないが、
矢張り男の肉体が必要だ・・・』と思ったのだ。
自分の淫らな肉体がそれを実感していたのである。
そのためには、圭太の肉体を必要としていた。
『圭太を男奴隷として、今までと同様に孝子に奉仕をさせなければならない』と感じて
いた。そして・・・『おこぼれに、自分にも奉仕をして貰いたい・・・』と思ったのであ
る。
年上の女の狡猾さもあったのかも知れないが、『孝子のためにも男性を1人確保しておき
たい・・・』と思ったのであった。
「これからはわたしの旦那様を孝子様とお呼び!・・・いいわね」
久し振りの厳しい声である。
「はい。君枝女王様」
厳しい命令に圭太は慌てて椅子から滑り降りるとジュウタンの上に平伏している。この
部屋でプレイを重ねるに連れて圭太の地位は段々と下がっていて、今は孝子と同列であり
君枝女王様を崇めていた。
思わず土下座をしてしまった圭太は自分が驚くほどマゾになっているのを自覚している。
しかし考えて見れば今までと同様である。
自分を含めた3人が3人とも、今までのプレイを続けられることを期待しているので
ある。
「ネエ・・・旦那様。いいでしょう? この家では旦那様が1番偉いのよ。貴方はご自
分でやりたいようにして・・・」
「わたしは貴女のご命令だったらば、どんなことでも素直に従いますわ・・・」
君枝の声は甘い。
最下層の女奴隷から君枝女王様の上に立つことになってしまった孝子は『これからは
どのようにして、2人を御して行かなければならないのだろうか・・・?」と思いなが
ら放心状態であった。
それから3ヵ月後。粕谷整形外科病院の休みの日曜日。都内のホテルで盛大な結婚披
露宴が開かれている。
勿論、新郎は内野孝、新婦は橋立君枝で仲人として粕谷圭太夫妻が勤めている。
多勢の参列者に祝福される2人は輝いていたが、院長の圭太としては孝子を君枝に強奪
されたようでちょっと寂しそうである。
それならば今度は、隣の仲人席に座っている妻を、マゾ奴隷として調教してやろうかと
思っている圭太であった。( 完 )
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