或る人生 < 48 >
それからの旦那様は嗜虐に目覚めたみたいです。
あっ・・旦那様と言うのは林さんのことです。林さんがわたくしの所へいらっしゃるよ
うになりまして2週間ぐらいした時に、そうお呼びするように言われました。
旦那様は段々とSの傾向が強まります。
サドと申しても、虐める方法は人によっていろいろと異なるものでございますね。
前のご主人様っである会長さんは、わたくしを縛って自由を奪って置きましてから
SEXをすることに興味をお持ちでしたが、旦那様は日常の生活の中にもSMを持ち
込んだのでございます。
SEXの前技としての縛りや鞭打ちは勿論ですが、わたくしがお部屋にいる時は丸裸
か、もしくは股間縄だけの恰好でショーツも許してはくれません。
股間縄と言うのは、わたくしのような男女にとっては、それはそれは・・恥ずかし
いものなのです。
だって・・無毛の股間に股縄をされますと、大きなクリ・・これは女になったからで
男にしては小さいオチ〇チンです・・縄を2重にされていますのでその間から顔を出
しているのです。とっても、恥ずかしい姿なのです。
あっ・・その頃には旦那様はわたくしのマンションから会社に通っていました。
夕方のお買い物の時なんかも、ブラジャーはおろかパンティも履かしてはくれませ
んでしたのよ・・
夏の間は無論のこと秋になって暫くは、ノースリーブのタンクトップにミニのスカ
-トだけ、時にはワンピースだけでお買い物に行かねばなりませんでした。
旦那様のご命令でアヌスには大きめの鈴を入れて、行ったこともございます。
旦那様はわたくしが羞恥に塗れて恥ずかしがっているのが、好きなのです。そして
旦那様のご命令はわたくしにとっては絶対なのです。
段々とエスカレートをいたしまして、野外で素っ裸で調教をお受けしたことも
ございます。
しかし・・旨くしたもので・・M性が強まったわたくしはそのご命令を無理とは思
わずに、逆に楽しんでいたと言うのが本当のところでございました。
けれども、その被虐に満たされた甘い生活も1年半で終止符をうちましたので
ございます。
旦那様のご結婚と云う形で終わりを迎えたのでございます。旦那様が女の人を見
つけたのでございます。
今になって考えますと・・旦那様は被虐感に溢れたわたくしを、きっと・・重荷
になったのだと考えます。
「俺は・・子供が欲しいのだ・・」
旦那様の一言が、わたくしをお別れの決心を固めたのでございます。わたくしが
どんなに逆立ちいたしましても、子供だけは産むことは出来ませんもの・・ね。
巨根の旦那様にも良き相手が出来たものと・・歓迎をしまして、祝福したのです。
(つづく)
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