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小説 舞の楽園 ( 一目惚れ‥相思相愛 )


        一目惚れ・・相思相愛   { 17 }
   今度は下着姿のままスツールに座ってお化粧を始めた。
 これもホルモンの影響か淡くなっている髭は、さっきの全身剃毛の折に当たっている
 から化粧水を塗り、下地クリームを使った。
 眉も1段と細くカットして白粉を使った。
 細くした眉を眉墨で整え、ビューラーで根元から撫で付けて、何時もよりチョット濃い
 目のアイライナー・アイシャドー・マスカラを塗り頬紅を薄く付けた。
 唇に薄めのピンクのルージュを差し、黒色に近いウィッグを冠った。
 最初のお化粧は夜の女かと思われるように毒々しかったが、今はナチュラルに出来るよ
 うになってはいた。
 今日は私のお披露目であり、よりナチュラルになるようにした積りであった。

 膝丈のスカートを履き、白のブラウスを羽織り昌子はエプロンを着けて、今はスッカリ
 磨き上げられて元通りピッカピカに輝いている台所に立って目玉焼きとコーヒーを煎れ
 た。
 「あなた。起きて下さらない・・!これで・・可笑しくないかしら・・?どう・・?」
 ここ1か月ばかりの熊さんとの生活で女言葉も自然に出るようになった。
 昌子は『どうせ、女言葉を話すならば、上品な女言葉を話したい・・』と思っている。
 「う~ん・・」
 熊さんが大欠伸をして目を覚ました。夕べも3回も放出を果たした熊さんはもっと寝て
 いたいようだ・・

  「どう・・?」
 清楚な装いに変った昌子の顔を見て、驚いたような顔をしている。
 「う~んっ。綺麗・・綺麗だね!女にしか見えない!女は化粧をすると10歳は若返る
 と云うが・・う~ん。昌子は20歳も若返って・・20代後半かな・・」
 熊さんは満足そうに笑みを浮かべている。しかし、言葉の終わりの方は、自分より若返
 って見える昌子を誉めている。
 「うんっ。馬鹿!年のことは言わないって約束したのに・・。知らない!」
 昌子は甘えて熊さんにしがみ付いた。

  熊さんが起き出して、シャワーを浴びている間に朝食の用意だ出来た。
熊さんが全裸のまま洗面所の扉を開けた時には、昌子は味噌汁をよそっている。
「いやぁ~ん。お味噌汁が・・零れていまうでしょう・・あっ、ダメ。今朝は・・ダメ
だって・・」
「お店の皆様に・・お披露目に・・行くんでしょう・・?」
悪戯な熊さんはソ~と昌子の背後に近づいて、いきなりスカートを捲り上げている。白
い肌の太股と、熊さんに愛されている分だけ大きくなったお尻に黒いレースのパンティ
が見えている。
巨大な男根を起ててしまった熊さんが、パンティを引き下げようとしたのに、昌子がお
尻を振って逃げようとした。

 
 その日のお披露目は無事に終わった。
工務店の誰もが、紺の半袖のワンピースに着替えて工務店の皆の前に立った昌子を男だ
とは疑う者はいなかった。
「俺の新しい女房だ!前の女房と同じように仲良くしてくれ・・!宜しく頼むよ・・」
熊さんが紹介してくれて皆が頭を下げるのを見て、昌子は嬉しかった。
初めて、女として気を張って1日を過ごした昌子はクタクタに疲れてしまっている。
「疲れたかい・・?。昌子、ご苦労さん・・」
その夜は流石の熊さんも求めては来なかった。優しい熊さんに感謝。(つづく)











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