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小説 舞の楽園 ( 一目惚れ‥相思相愛 )


        一目惚れ・・相思相愛   { 18 }
    
      ( 7 )熊さんの告白
   「昌子。前から言おうと思っていたのだが、言えないでいたことがあるんだ・・」
 小さな教会で本当に2人だけで結婚式を挙げたのだ。
 熊さんは黒のモーニング、昌子は白い肩の出ているウェイティングドレス姿で、とって
 も女らしい姿であった。
 その代わりに2人並んでいる写真と牧師さんから指輪を受け取っている写真を撮っても
 らっている。
 熊さんの運転するワゴン車は熊さんと初めて会ったあの温泉宿へ向かう途中の会話であ
 った。

  「何かしら・・?」
 深刻そうな熊さんの様子に、昌子は不安を覚えている。
 「昌子。どうやら俺は・・サドッ気が強いらしい。このことは・・前の女房にも言わな
 かったんだ・・が」
 「以前、昌子には『マゾッ気があるの・・?』と聞いたことがあったよな・・?」
 「『恥ずかしいのや痛いのは・・好きか・・』」
 熊さんはハンドルをシッカリ握って、前方を見て告白を始めている。
 「そうしたら昌子は『適度な痛みや恥ずかしさならば・・快感を感じるわ・・』と言
 った・・よな。覚えているかい・・?」
 「俺はあの時の昌子の言葉が忘れられないんだ・・」

  普段は優しい熊さんだがSEXになるとサドになるのは、昌子は知っている。
 また・・昌子は『自分がマゾらしい・・』ことは判っていた。
 この2か月、『いつになったら・・昌子の軽いMの心を満たしてくれるのかしら・・?
 とまで思っていた。
 「はい・・あなた。覚えていますわよ・・」
 『この熊さんのSの性癖を満たして上げることが、今女になった昌子に出来る恩返し
 だわ・・』と考えていた昌子は答えていた。

 「前の女房も俺は可愛がってやった。むしろ・・余り可愛がり過ぎて、姦り殺した
 と思っている・・。だけど・・前の女房にはMッ気はこれっぽっちもなくて・・な。
 新婚時代に俺がSEXをした後に、軽く縛ったことがあるんだ・・」
 「そうしたら、女房は顔色を変えて、恐ろしい顔で、『俺をさも変態だ』と言うよう
 に睨むんだ・・」
 熊さんは苦しそうにハンドルを持つ手に力を込めていた。
 「それから・・俺は女房に対してはSの気を封印したんだ・・」
 「それは、ソープ等へ行ってS Mをすれば良かったのだろうが、他の女は抱く気が
 しなかった。女房を亡くして初めて昌子を抱いた。何か魅かれるものがあったのだ、
 溜まってもいたし・・な」
 最後は冗談ぽく言っている。
 昌子は何と返事をしてよいか判らずに、無言で告白を聞いていた。(つづく)







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