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小説 舞の楽園 ( 山小屋での出会い )


    
         山本小屋での出会い  <  5  >
   「あらっ、今日はお友達とご一緒なのね・・」
 7人も入ると一杯になってしまう飲み屋さんに行くと、60代前半と見えるママさんが
 そう言って歓迎してくれました。
 何時もは彼が1人で、その店で飲んでいるらしいのです。
 「うん。今日は特別なんだ・・!旨い物を食べさせてくれよ・・」
 彼は特別な友人だ・・と私を紹介しております。
 ビールで乾杯をした後は、彼はウーロンハイっを私はレモンサワーを飲み、ママさんの
 作ってくれた料理を頂きました。
 ママさんも嘆いておりましたが、今は不況なのですね。その日もお客さんは私達を含め
 て2組しか無いようでした。でも・・ゆっくりと出来たことは確かです。
彼は体格も良く、それに似合って酒豪らしいのです。私はほどんと飲めないのです。
 その日も1杯のレモンハイを時間を掛けてチビチビと舐めるように飲んで、2杯目をお
 代わりしたところまでは記憶がありますが、それ以降は記憶がないのです。

  咽の渇きで目覚めますと、私は知らないところに寝ていました。
 見慣れない天井にハッとしまして起き上がると、頭が割れるように痛いのです。
 広いダブルのベッドの上では、裸の彼が隣に寝ていました。そこは・・彼の家の寝室
 らしいのです。
 彼の髭の伸びた寝顔がありました。
 大好きになったとは言え、奥様と想い出のある同じベッドで寝ていたのですもの・・
 私は思わず身体を、いえ・・お尻を点検してしまいました。
 しかし・・そんなことは絶対と言ってもいいくらいにありませんでした。

  私は起き上がりました。
 すると・・私の身体にはダブダブのパジャマを上だけ着ているのです。勿論、男性用の    
 彼のパジャマです。
 この状態から言うと、少しばかりのお酒に酔ってしまった私を彼は介抱してくれて、こ
こに連れて来てパジャマに着替えさせてくれたものと思わざるを得ないでしょう・・
 これは10日ばかり後の話ですが、彼に言われたのです。
 「酔っ払いをここに連れてくるのは大変だったんだぞ・・」
 笑いながら言っています。きっと私を背負って連れて来たのでしょう。私はその時には 
 彼のオンナになっていましたので、「アリガトウゴザイマス・・」と言って、彼のポッ
 ぺへチュッとキスをしたのです。

  痛む頭を抱えてベッドの上に起き上がった私は顔色を変えました。
 瞬間的に、昨夜の酔いも忘れてしまうほどの衝撃を受けたのです。
 私がパジャマを着ている・・と云うことは、彼に洋服を脱がせてもらった・・としか考
 えられません。
 服を脱がせた彼は、私の下着を見たに違いありません。
 実は・・私は女物の下着を着けているのです。その日は、可愛いピンク色のブラと同色
 のキャミソールとこれも同色のピンクのショーツを着ていたのです・
 まさか家を出る時は、彼のところに泊まるなんて考えてもいなかったのです。彼の電話
 を受けた時には、舞い上がってしまって大喜びでそのまま彼の家へ向かってしまったの
 ですもの・・(つづく)















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Author:舞
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