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小説 舞の楽園 ( 山小屋での出会い )


    
         山本小屋での出会い  <  7  >

     < 朝食の後 >
  「パンでも食べて・・コーヒーを飲みますか?・・と言ってもインスタントしかありま
 せんが・・」
 ベッドに残されて、筋肉の付いているであろう逞しい彼の身体を呆然と見ていた私にニッ
 コリと微笑みました。
 私の女物の下着姿を見た筈なのですが、彼は知らない振りをしてくれているのです。
 「コーヒーだけを・・頂きます」
 下着女装のことは何も言わない彼に感謝しながら私は答えています。2日酔いでパンなどは
 とても入らない・・と思ったのです。
 私はベッドを下りました。彼が着せてくれたパジャマは大きいので、白い素足の下膝上まで
 隠してくれています。

  「弱いんだな。すっかり酔わせてしまって・・ゴメンネ・・」
 下着女装をしていることはお首にも出しませんで。酔いつぶれてしまった私に彼は謝って
 います。
 「ゴメンナサイ。お酒は全くダメなんです。これじゃぁ・・お付き合いが出来ませんね・・」
 「いいんだよ・・!酒が強くってもなんにもならない・・よ」
 私が頭を下げますと、彼は慰めるように言ってくれています。

  洗顔をしてテーブルに着きました。彼の隣です。
 彼の家は工場の2階ですので、余り広くはありません。2人分の食卓テーブルも壁際に押し
 付けられてありました。
 彼はパンを食べて、私は彼が淹れてくれたコーヒーを飲んでいます。
 このままでいることが耐えられなかったのです。
 私が女物の下着を身に着けていることを、彼は気が付かない風を装ってくれていることを
 です・・
 「ゴメンナサイ。無粋な下着を着ていて・・」
 如何彼に行っていいのか・・迷っていました。とりあえず、「無粋な下着」と恥ずかしそう
 に切り出したのです。
「・・・・・」
並んでコーヒーを飲んでいる彼は暫く私の顔をジッと見詰めていました。夕べ彼が着せて
くれたパジャマの裾を引っ張りながら、私は俯いております。

 突然、彼の右手が私の肩に触れて来たのです。パジャマの上から背中を撫ぜています。
「お出で・・」
私の手を引いて彼が呟きました。私は彼の男臭い胸の中に引き寄せられて居ました。
彼のその一言で、私は彼のオンナになりました。
もう・・彼より7歳も年上の男・・なんかじゃなくなって、逞しい彼の年下のオンナとな
ったのです。(つづく))











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Author:舞
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