小説 舞の楽園 ( 山小屋での出会い )
- 2021/08/19
- 23:27
山本小屋での出会い < 8月分 >
私を抱き寄せた後、彼の手は如何したらよいのか・・迷っているようです。
逞しい彼の胸に縋り付いている私の背中をオズオズとでしょうか、撫ぜていました。
私を抱いている彼の履いている紺のブリーフの前が膨らんで来たのに私は気付きました。
愛していた奥様を亡くしてからは、一度も女を抱いたことは無いのでしょう・・と考える
と同時に『わたしを女として見てくれているのかしら・・』と思ったのです。
しかし・・私の人生は期待通りには行かないことが多かったのです。この人に愛されてい
ると云った期待を打ち消しています。
胸がドキドキとして来た私はそっと顔を上げますと、上から見下ろしている彼と目が合っ
てしまったのです。
その眸は美しいほど真剣でした。
突然、彼の顔が近づいて来まして、私は目を瞑ってしまいました。
次の瞬間。生暖かい大きな唇が私の唇に被さって来たのです。「アッ・・」と言う暇もあり
ませんでした。
奥様をあれだけ愛していた彼が男である私にキスをして来るなんて・・夢にも思わなかっ
た私は焦ってしまいました。心臓がドキドキして破裂するのではないか・・と思ったほど
です。
昨日1日剃らなかった髭がチクチクと口の周りに触れて来たことを鮮明に覚えています。
普段は男らしく結んでいる唇は私の唇を割って、舌は開いた口の中へ入り込んできていま
す。
歯茎を舌で舐められて、口中を蹂躙された私はもうボーとなりまして、何も考えられずに
彼にしがみ付いておりました。
< 彼のオンナに >
「お前が欲しい・・!俺のものになってくれ・・!」
口の中で暴れていた舌を引き抜いた彼は荒い息を吐いている私を抱き締めて言いました。
突然で・・低い声だったのですが真剣そのものの声のように私は感じています。
「お前」と彼は私を呼んでいます。
私は今まで生きて来た中で、「お前」と呼ばれたことはありませんでした。「お前」と言う
言葉は普通男が女に呼びかける言葉です。余程親しくならなければ、そう言う言葉は出な
いものです。
私は「お前」と呼ばれたことに感激をしてしまったのです。
あらっ、まだ私の名前を紹介してはいなかったのですね・・
私は小池光司と申します。
光司の光と云う字を取りまして、今では「ひかり」と彼に呼ばれて、オンナにいえ奥さん
になっております。
女になったと言っても、50に近い私は肉体を弄ってはいません。毎朝お化粧をして、朝
食の支度や洗濯・掃除など妻の役目を果たしてから1階に降りて、会社の事務員になる
のです。勿論、女の服装はしております。
彼との夜は優しいのですが激しいのです。SEXは夜ばかりではありません。
1日に2度は私の肛門に放出することもしばしばなのです。
一日中彼と一緒に仕事をしていますので、お昼休みにSEXの時間があるときは上に連れ
て行かれて肛門を使うのです。他の従業員の方々に知られてしまうのじゃないか・・と
私は冷や冷やなのです。
彼とお知り合いになった当時はまだ会社に勤めておりましたが、そこを辞めて今は彼
の女房兼事務員なのです。
彼の前の奥様がしていた経理を担当しております。
前の会社では経理はしていませんでしたが、学生時代に簿記の資格を取っておいて良か
った・・と私はおもっています。
私の彼は山岸圭太ともうします。鋼管工場の社長さんです。
若く見えますが43歳になるようです。子供はいません。
彼は私を正式に奥さんとしたいらしいのですが、日本の法律では同棲婚は認められて
おりませんので、今のところ私は同居人と云うことになっております。
世界では同性の結婚を認めている国もあるのでしょう・・?アメリカでは州ごとに認め
ている州もあるのですって・・?
その州では同性愛者がおおいのかしら・・?それとも・・同性愛に対して住民は寛大
なのかしら・・?不思議です。(つづく)
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