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小説 舞の楽園 ( 山小屋での出会い )


    
         山本小屋での出会い  <  9  >
   私はお化粧をして、女物のお洋服を着て女になっているので、同居人と言っても彼
 の妻の役割も担っているのです。
 昼間は彼のことを「社長さん」と呼んでおりますが、夜になって誰も居なくなると「あ
 なた」と言って甘えるのです。

  「えっ『夜の生活もかい・・?』ですって・・ええ、そうですよ・・
 朝も昼も夜も彼と一緒なので・・当然SEXもです・・よう。
 彼はヘビースモウカーで、お酒も強く相当飲むのです。私はお酒は全くダメなのですが、
 煙草は吸わないことも無いので強くは言えないのですが、「あなた・・煙草を少し控えた
 ら・・」と言いましたら、ラークからメビウスのワンにしてくれて、本数も少なくした
 ようです・・
・・って言うことは・・私は愛されているのでしょうか・・?


   詰まらぬことを書いてしまいました。お話を元に戻します。
  
「俺のものになってくれないか・・?」
 私の目を覗き込み、彼は真剣です。
 「わたしで・・いいの?」
 「わたしは男よ・・」とは言えませんでしたが、言外に込めて彼に問いかけました。自分で
 も驚くほど女らしい声でした。
 「お前が欲しい・・」と言われた私は有頂天です。もう完全に女になっていました。
 「うんっ・・お前が欲しいんだ!出来れば俺の女房になって欲しいんだ・・!」 
 彼の顔を見ますと、朝黒い顔が赤く染まっています。彼も愛を告白するのは恥ずかしかった
 ものと見えます。
 「俺はこの通りガサツ者だ・・!山でお前を見た時から可笑しな気分になっていたんだ。お
 前が女ならば・・と思っていたんだ・・」
「お前が男なんで諦めていたんだ・・。ところが・・昨夜酔ったお前を楽にしてやろうと思
 って服を脱がして、お前の下着を見てしまったんだ・・」
 「もう我慢が出来ない!俺のオンナになってくれ!」
 彼が着させてくれたダブダブのパジャマの上から、私の肉体をギューと力一杯抱いたと思
 うと、又キッスをして来ました。
 又、髭が私の頬と口廻りに当たって、私の心臓はパクパクとしています。

  女性の下着を着ていることを指摘されてしまった私は優しいキッスに女になってしまい
 ました。勿論、この年下の男性が好きになっています。
 女性の下着を着けていることに関しては、彼は何にも云わないどころか「私を欲しい・・
 」とさえ言っているのです。
 愛していた奥様を亡くして2年足らずの彼に対しては、愛して貰えることを諦めていまし
 たから、嬉しい心より驚きのほうが大きかったのです。
 けれども・・『女になりたい・・』と願っている私としましては喜ぶべきことでしょう・・

  だが・・「私を愛してくれているのか・・」と云うことは、事実信じられなかったのです。
 『彼が奥様を失って、肉体的に限界に達して、わたしと云う女の代わりを求めているのだ』
・・と思ったのです。
『それでも・・満足しよう』と考えました。
思えば・・彼は、私を女の代わりに抱いてくれようとする初めての男性だったのです。(つ
づく)










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