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小説 舞の楽園 ( 部長は俺の恋女房 )


 
       部長は俺の恋女房   { 3 }
   保険会社を辞めて、四国の旅行会社に勤めたんだ。
 えっ・・オンナとは・・・
 それ以来、女と付き合うことも自重しているんだ・・!実際のところ・・今回の事件
 で、この不況の中仕事を辞めて再就をすることの難しさと、どれだけ大変ことなのか
 と云うことが分ったんだ・・

 俺の実家はこの街から車で2時間は掛かる山奥にあるんだ。
 無論、農業をしている両親は生きているさ・・。けれども、尊大な父親が嫌いで家に
 は帰らないんだ。
 こっちに来た時も、1回顔を出した切なんだ。その時もお袋は俺のことを心配そうに
 していたが、親父は尊大な態度を崩していなく、「フン」と横を向いたきりだった。
 俺が親父を嫌いな理由が判るだろう・・?

      < 第2の幸運 >
  仕方なく無く、俺は夏木部長の運転手を務めることになって、2週間が経った。
 朝は全員が揃って始まるので、自家用車でアパートまで行って部長を乗せて会社まで行
って、帰りは部長は残業や接待があるので同じ時刻に帰れるとは限らないので、別々に
帰る方が多かった。
 夏木部長は朝、俺が迎えに行くと、必ず玄関の前に立っている。
 俺を見ると「おはようございます。いつも済みませんね・・」と深々と頭を下げるんだ。
 『折角迎えに来てもらっているのに、待たせるのも悪い・・』とでも思っていて、頭を
 下げているのだと思う。
 「部長。気にしないで下さい。僕は貴男の部下ですよ・・」と俺は言っているが、悪い
 気はしない。
 車の中では、勿論助手席に座っているんだが・・手も膝の上に置いて、キチンとした姿
 勢で、いつもニコニコしている。

  初めは嫌で嫌で堪らなかったが、迎えの仕事が部長のその大人し目の低姿勢の態度に、    
 朝迎えに行って会社へ出勤するのが、何時の間にか嫌で無くなっていた。
 しかし、俺個人に対する態度と、事務所に於ける部長として上司としての態度のギャッ
 プが大きいのに驚いた。
 報告を忘れた年上の課長を叱っている厳しい上司としての新部長は事務所の皆を震撼
 とさせたものだ。流石は本社から来た部長だ・・と思ったと皆思ったそうだ・・
 俺はその時に外出していて、それを見た訳では無かったが同僚から聞いて、『朝迎えに
 行くあの低姿勢の夏木部長が・・本当かよ・・』と思ったものだ。

  部長の送りを始めて2週間目の日曜日のことだ。その日は前日までのどんよりと
 した曇りの日が一転して快晴の日だった。
 トイレットペーパーが無くなりそうで、10時になるのを見計らって近くのホーム
センターへ出掛けたんだ。
俺の住んでいるアパートと夏木部長のアパートはホームセンターを挟んで、車で5分
位の同距離にあるんだ。(つづく)








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