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小説 舞の楽園 ( 部長は俺の恋女房 )


 
       部長は俺の恋女房   { 5 }
   「本格的ですね・・」
 俺はアパートではインスタントのコーヒーしか飲んだことは無い。
 『どうせ・・同じような物しか、出ては来ないだろう・・』と思っていた俺は感心して
 部長の手元を見ていた。
 「わたしはコーヒーだけは、豆から入れないとダメなんですよ・・」
 「お酒もそんなに飲める方じゃありませんし、タバコもやらないのでコーヒーだけが・・
 道楽見たいなものです・・かね」
 『そう言えば、前の部長は酒が強かったな・・』と思いながら、小柄でチョッピリ小
太りな部長の背中を見ていた。

 フト気が付くと、背中をこちらに向けてコーヒーを煎れている部長の背中のホンの
一部分が変に盛り上がっているのに気が付いたんだ・・
部長のその時の服装は下は白のチノパンで、上は襟のある長袖の白のシャツに薄い萌
黄色のカーデガンであった。
『部長は若い色を着るのだな・・しかし、春の色で纏まっていて良いのじゃないか・
・』と俺はホームセンターで会った時に思っていた。
そのカーデガンの背中の1部分が、ちょうどブラジャーのホックの形に盛り上がって
いる。俺はハッとして背中を良く見たんだ。
すると・・薄っすらとであるが、ブラの線の部分が萌黄色の薄いカーデガンの下に
見えるようである。
横を向いてちょっと屈んだ部長の胸の部分にも何かが入っているように感じられる。
『ブラをしている・・』と思った。
今までに幾人かの女性を抱いて来た経験のある俺には解るのだ・・

 「どうぞ・・・甘い物しかありませんが・・」
コーヒーを上品なカップに注いで和菓子をお皿に乗せて、俺の方に近づいて来る。
椅子に腰を掛けている俺の目の前にカップと小皿が並べられた。
俺の顔から25cm位に近づいた部長の胸の辺りから部長の体臭と香水の匂いがフワ
ッと鼻を打った。どうやら・・部長は香水を付けているようだ。
「いい香りですね・・」
ツイ言ってしまっていた。
 勿論、コーヒーの香りも良い匂いがしていたさ・・でも、微かな香水の匂いに俺の声
 は掠れていた。
 「そ、そうですか・・?・・ブルーマウンテンを淹れて見ました・・」
 俺の掠れた声に、部長はハッとしたようだ。『自分の付けている香水の匂いを、俺に
 指適されたのだ・・』と悟ったようだ・
 それでも・・『俺がコーヒーの香りのことを言っているのだ・・』と無理に思い込も
 うとしているようだ・・(つづく)















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コメント

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三貴子様
 いつもお読み頂いてありがとうございます。
ストーリーはどうなるのでしょうね。請うご期待です。

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Author:舞
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