部長は俺の恋女房 { 6 }
「コーヒーの匂いも良いのですが、素敵なのは部長の付けている香水の香りです
・・よ」
甘い香水の香りとちょっと苦いようなブルマンの匂いを大きく吸い込んだ俺の理性は
切れている。
「部長。ブラもしてますよね・・」
とうとう、俺は禁句を口走っていた。『もう如何にでもなれ・・』とその時は思った
んだ。
しかし・・この上司であるこの男を、まだ・・犯そうとは思っていなかった。行茎直
行の俺としては、部長が如何出るか・・に興味があったのだ。
もう、女装癖を知られてしまった部長としては『俺を叱ることは出来ないだろう・・』
とは思ってはいたさ・・。
「えっ・・」
俺に言われた部長は小さく呟いて、みるみる白い貌を蒼白にして、思わず両手で胸を
押さえている。それは・・女の仕草だった。
きっと・・自宅に俺を招待してコーヒーを煎れている時は、下着女装をしていること
も、香水を付けていることも忘れていたのだと思う。
「女装の趣味があるのか・・?」
立ち竦んでしまった俺よりもズ~ッと小柄で色が白い部長の顔を見詰めて、俺は言っ
た。
もう職場に於ける上司などと云うことは、俺の頭から抜け落ちていた。
敬語は使わずに、女に対する男の言葉だった。
部長は下を向いてしまってブルブルと震えている。蒼い顔は歪んで泣いている見
たいであった。
「あの時は、いきなりの言葉だったので・・パニックになってしまったの・・」と
後で俺の胸の中で答えていた・・
「だ、誰にも言わないでェ・・内緒にしてェ・・」
思わず漏らしたような悲痛な声が、部長から漏れていた。
「見てやるよ・・!どんな下着を着ているんだ・・ね」
縮こまってしまった部長の白い手を引っ張りながら、上司に掛ける言葉では無しに、女
に使うようなやゞ高圧的な物言いの俺がいた。
「嫌ァッ・・許して・・」
部長の手は白くって柔らかい。その手を引っ張られてバランスを崩して、俺に抱き抱
き抱えられてしまう。
俺の胸の中にスッポリと入ってしまった部長は躯を硬くして、女のような悲鳴を上げ
ていた。
女装を知られてしまったショックからか、大柄な俺の胸の内にスッポリと入ってしま
った今の状態からの悲鳴だったのかは、俺には解らなかったが・・
『ようし・・それならば、徹底的に女として扱ってやろうじゃないか・・』と言う気
になっていた。
女を扱うのは・・自身があるのだ・・(つづく)
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