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小説 舞の楽園 ( 部長は俺の恋女房 )


 
部長は俺の恋女房   { 28 }
   俺は部長と云う地位を脅かすということは考えてもいない。
 勿論、部長が普段から女装をしていることは、皆には内緒だ・・
 それには、このマンションのこの部屋の中では、俺のオンナ玲子として調教をして
 しまったが、一歩家の外に出たら部長に戻し、俺は部下の立場を貫こう・・と考え
 ているのだ・・
 今朝の俺の態度で玲子は、否、夏木部長は判ってくれた・・と思っている。


  俺は自分のアパートに帰り、そしてスーツに着替えた。白いスラックスにシャツ
 の姿では会社に行くことが出来ないからである。
 何時もの時間に、部長のマンションの前に着いた。
 「おはようございます・・」
 何時もの時間通りに部長がマンションの前に佇んでいた。そして何時ものように頭
を下げて挨拶をして、助手席に乗り込んで来た。
 「良く間に合いましたね・・」
 全裸の玲子がシャワーを浴びて、お化粧を落として、スーツに着替えて出て来るま
 では、相当時間が掛かるであろう・・と踏んでいた。
 まあ、会社が始まるまでに30分位の余裕があるから、20分ぐらいは待ってやる
 積りになっていたんだ・・

  俺はB型で自分の人生にはルーズな方だが、時間はキッチリと守るんだ。
・・・と云うより、待ち合わせの時間等は最低でも5分は早く行って待っている・
・と言った方が正しい・・
朝、会社の事務所に行く時も、車が混むかもしれない・・と考えて、30分は早く
家を出るようにはしているんだ。
その代りと言っちゃぁなんだけれど、他の人が約束の時間をオーバーしても来ない
時にはイライラして来るんだ。待たされるのが大嫌いなんだ・・
部長は朝俺が迎えに行っても、1度も待たされたことが無いんだ。
『この人は信用出来る人物なんだ・・』と思って、俺は好意を抱いたのだ。俺の好意
を抱くか、抱かぬかは時間を守る人かどうか・・に懸っていると言っても過言では
無い。

 それが・・今日くらいは間に合わないと思っていた。
部長は何時ものように助手席に膝を揃えて座って、姿勢を伸ばして両手を膝に置いて
いる。毎日の通勤風景である。
俺は黙ってハンドルを操作して国道へ出た。
「アリガトウゴザイマス・・」
突然、部長が前を向いたまま、低いが今朝までの玲子の声を出した。俺はハンドルに
手を置いたまま驚いて声を出した部長の方を見てしまった。

 「アパートを出たならば、元通り男と男に戻ろう・・と言うことですわね・・?」
白い貌を真っ赤に染めた部長は、着ているスーツには似合はわない女言葉である。
「・・・・」
男の姿と女の言葉に違和感を感じながら俺は頷いている。しかし、玲子は真剣その
ものであった。
「このままにして置いて下さるって・・ことは、誰にも内緒にして頂けるってことね
・・」
前を向いたまま、俺は又頷いている。
「アリガトウゴザイマス・・」
また、玲子は言っている。
「当然でしょう・・?部長は公の部分では・・僕の上司なのですから・・そんなこと
誰にも言ったりはしませんよ!」
隣に座っている玲子を抱き寄せたくなる気持ちをかろうじて振り切って、部下の態度
を保ったんだ・・(つづく)

 

  
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コメント

No title

日常とエロスのバランス。
非常に大切ですよね。
日常と非日常。
どちらもあるからこそギャップが映える。

今月から、初心者向けのソフトSM小説を掲載しますけど。。。舞さんの小説には脱帽ですね。

LandM様

日常とエロスのバランスですか?
そうですね。大切なものですね。
ソフトSM小説ですか?LandM様の小説だと特殊
な表現が見られますね・・楽しみです。

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Author:舞
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