小説 舞の楽園 ( 部長は俺の恋女房 )
- 2021/10/08
- 23:44
部長は俺の恋女房 { 35 }
「んっ・・化粧をしているのかい・・?」
ミニスカートから出ている白い生足の膝小僧がとても眩しく見える。実際に着こなし
と化粧は良く似合っていた。
流石は『若い頃・・と言っても学生時代だというが・・女装スナックでバイトをして
いただけのことはある・・』と思たものだ。
部屋に入ると、襖を開けてある奥の部屋の様子が何時もとは違って見えた。
『んっ・・』と思って、俺の着ていた背広をハンガーに掛けている玲子を残して奥の
部屋に入って見ると、何と鏡台が赤紫のカバーに掛けられて置いてあるでは無いか・
・そして、その鏡台の前には化粧品が並べられていた。
「買ったの・・か?」
俺は玲子が本格的に女になろうとしているのを知って嬉しくなった。
「ええ・・昨日。午後からお客さんの要望で市役所に出かけたでしょう・・?わたし
早引けをしたのよ・・」
「その帰りにデパートに寄って・・安かったのよ」
部長は午後から出張していたことを、掲示板を見て知っていた。このところ、俺は
玲子の行動が気になって仕方がなかった・・
俺が頷くのを前に、喜々として女言葉を玲子は使っていた。
前からあった玲子の女装癖に火を点けてしまったようだ・・
「大丈夫なのかい・・?奥さんが来ることは・・無いのかい?」
一戦を終えて、オマ〇コに入れて拭ってもいない男根を、紅を塗った唇に深く含ん
でいる玲子に聞いている。
心配になったのだ・・
女になった玲子が、俺に心頭してくれるのはとっても嬉しいことなのだが、もし
東京に居る奥さんがこの地に来たならば『玲子はどう言い訳をする積りなのか・・』
と考えたのだ・・
こんなに部屋の中に女性のものを置いてあれば、奥さんは如何思うかを・・だ。
まさか、玲子自身が女になっている・・とは思わぬであろうから、女と同棲してい
る・・とは思うだろう・・
そうなれば・・『即、離婚ということは免れないかも知れない・・』と思ったのだ。
俺は愛してしまった玲子の離婚などは、望んでもいない。
それは・・『女になった玲子と一緒に暮らしたい・・』と熱望してはいたさ・・俺
の女房にして、毎日お化粧をさせて可愛がってやってもいい・・とさえ、思っていた
のさ・・
だって・・女房にしたら、極上のオンナになると・・思うのだもの・・
しかし、その考えを玲子には言うことはしなかった・・
玲子の人生を壊すことはしたくは無かった。玲子が俺に従って就いてくることが解
っていたからだ・・(これは、俺の買い被りか・・)
それほどまでに、この玲子と言う女を愛してしまったのだ。人間と云うものは、愛
する者を破滅に追い込む訳には行かないものである。
俺には出来なかった・・。それで聞いたのだ。
もし、玲子が「奥さんが来るかも知れない・・わ」と答えたら、俺は『俺のために、
部屋を女のもので飾るのだけは止めさせよう・・』と思っていた。(つづく)
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