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小説 舞の楽園 ( 部長は俺の恋女房 )


 
部長は俺の恋女房   { 41 }
   「あっ・・これ!さっきバッグを受け取りに行ったでしょう。その時にお買い物を
 して来たのよ・・それを入れてあるのよ・・?」
 後部座席に置いたボストンバッグを身を乗り出して取り上げて膝の上に置くと、それを
 開きながら柔らかな女言葉で言った。
 「あなたと・・女になって行きたかったのよ。だから・・買って来ちゃったの・・」
 そう言って洋服らしい布を取り出している。
 「似合う・・かしら・・?」
 取り出したのは白地に青の花模様のワンピースだった。玲子はそれを胸のところに当て
 ちょっと品を作った。
 「そのほかのものは・・女になるためのお道具・・よ」
 離婚が正式に成立したのが嬉しいのか、胸の中がスッキリしたのであろうか、明るい
 表情であり何時もの玲子よりも女らしかった。俺はそんな玲子がますます気に入ってい
 る。
 一刻も早く、完女となった玲子が見たくなっていた。

  「ここが・・いいだろう。さあ・・女になって来いよ・・」
 暫く東名を走っていた俺は、ある小さなPAにレンタカーを乗り入れて停めた。
 そこは小さなPAで飲み物の自動販売機と男女のトイレしか無い。そこに入って来る男も
 女もトイレへ入って行く。
停まっていた車はトラックと乗用車だけで、トラックの運転手がトイレから出て来て、乗
用車の若い男女が男子用と女子用に別れて入って行った。
トラックと乗用車がPAを出て行くと、暫くPAには他の人がいなくなった。
「玲子。今だ・・!行って来い!女になって戻って来い・・!」
もうお分かりのように、男姿の玲子を女子トイレで女装をさせる為にこのPAを利用する
ことにしたのだ。
俺はそう言って、背広姿で助手席に座っている玲子を追い出したのだ。
玲子は辺りをキョロキョロと見回しながら背広を脱いでバッグを取ると、急いで女性用の
トイレへ向かった。

  玲子が女性用のトイレに入ってからオバサンとおぼしき女性が入ってそして出てきたが、
 玲子はまだ出て来ない。
 トイレの近くに駐車した車の中でタバコを3本吸っていて、約20分ぐらいして玲子が
 姿を現した。
 白い生足の上にベージュの光沢のあるストッキングを履いて、白地に青い花柄のワンピ
 を着て、頭には濃いブラウンのウィッグを被っている。その姿はもう何処から見ても
 女性そのものであった。
 半袖のワンピから出ている白い腕が眩しいかった。
 ヒールの高さが3cm位の白いパンプスを履いた脚も、膝上が10cmのミニである。
 「そのワンピース、良く似合うじゃないか・・」 
 部屋の中では女装した玲子の姿を何度も見ているが、外に出たのは初めてである。
 キョロキョロと辺りを見回して、早く車に戻りたいと焦っているようだが、3cm
 でもハイヒールを履いた足がおぼつかないようである。
 俺は窓を開けてフラフラとして歩いて来る玲子に、俺は声を掛けて安心させた。

  さっきのPCから10kmほど走った次のPCに車を乗り入れて停まった。
 そのエリアはさっきのと違って停まっている車も多くって、大きな店や食堂・トイ
 レ・ガソリンスタンドまで整っている。
 「ジュースが飲みたくなった・・」
 「あそこの店に行って、菓子パンとジュースを買って来い・・!」
 そのパーキングの真ん中に車を停めて、俺は命令した。玲子に外出の度胸を着けて
 やろうとする親心の積りであった。他人のいるところに出て行かねば、度胸は着か
 ない・・(つづく)





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コメント

No title

こういう時のための多目的トイレっていうのもあるんでしょうね。多目的っていうのも便利な言葉ですよね。
少しずつでもこういうのが増えていくと良いですよね。

LandM様

 そうですね。離婚をせざるを得ないのでしょうね。
もう完全な女になったのだから・・
多目的トイレは便利ですね。
特に中性的な人にとっては・・
これからも増えていくべきものでしょう。

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