部長は俺の恋女房 { 46 }
「さあ・・出掛けるぞ・・」
パンティとパンストを履いていないために白い素足に白いサンダルを履いて、玲子は
俺と車に乗り込んだ。
彼女の恰好はザクッとした薄い茶色の7分袖のセーターに濃い茶色に真っ白な花が咲
いている絵模様のスカートである。
今日はノーパンと言うことで、何時もは膝上5cmくらいのスカートだが、今日は
膝まである大人しめのスカートである。
化粧もバッチリでもう何処からみても、完全な女である。しかし・・白い素足がチョ
ッピリ寒そうである。
街の中心部にある家具店に行く前にデパートに寄った。ガーターストッキングと
ストッキングを購入してやろう・と思ったんだ。
これからも・・デートで外出する時にはタッグをさせて、今日のようにノーパンの
玲子を連れまわしたかったのだ。
それには・・ガータでストッキングを吊っていなければならなかった。俺はパンティ
ストッキングなんて言う無粋な物は嫌いだ・・
< デパートで同僚と >
先の箱根での1泊旅行以来、玲子は女装に自信が付いたと見えて、物怖じをしなく
なった。
歩く姿勢も背筋を伸ばして良くなって、堂々としたものである。もう男だとは誰も
思わないだろう・・
声も勉強したのであろう・・高い声がでるようになっている。(元々男にしては高い
声であったが・・)・・と言っても、決して裏声のオカマ声では無く普通の声である。
年上の女と云うことを除けば、連れて歩いても俺の彼女として通用するのだ。
デパートで下着を買う時も、俺は恥ずかしいのでちょっと離れたところから見ていた
が、堂々と買っていた。
しかし・・デパートの色とりどりの女性下着の売り場と言うものは、男にとっては
何か面はゆいものである。
デパートでの下着の買い物を終えて、車に乗り込もうとしている時だった。
会社の同僚とバッタリと会ってしまった。
同僚と云っても年は俺よりも3歳くらいは年上で奥さんと子供もいる。ちょうど休み
の日だったので、家族を連れてデパートに来たらしい・・
「ヤァ・・夏木君。こんにちは・・」
隣に停めたワゴン車の陰からいきなり現れた同僚に俺は焦ってしまった。玲子をエス
コートして助手席側の扉を閉めたところだったからだ・・
『玲子を見られてしまった・・もう明日には会社中に男の玲子がいた・・と評判にな
ってしまうだろう・・』と思ったからだ・・
「会社の夏木君だ・・!ワイフと娘です・・」
「主人がいつもお世話になっております。さあ・・ご挨拶なさい・・」
「コンニチワ」
同僚はそこに居る妻を紹介して、3歳ぐらいの娘が挨拶をした。
俺は覚悟を決めた。
『彼女が望月部長だと気が付くことはないだろうか・・?バレたらバレたまでだ。そ
して明日からは俺と望月部長のことが噂になるに違いない・・』と。
「玲子。出てお出で・・!」
車に乗り込んでいた玲子を呼んだ。
「玲子です。俺の彼女です。結婚しようと思っているんだ。こちらが俺の会社の先輩
で北原さん・・」
背後に立った玲子を紹介していた。玲子も流石に緊張しているのか蒼い顔をしている。
『毎日会社で会っている北原さんに、部長だと知られたらばお終いだ・・』と考えて
いたようだが、俺に呼ばれては仕方が無い・・と決心したらしい・・(つづく)
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