小説 舞の楽園 ( { 経理部長の桂 } )
- 2021/11/03
- 00:14
変身( 経理部長の桂 )(9)
しばらく抱き合っていた2人だがそうもしていられないことに気付くいた
伸介は、右手を伸ばしてベッドの枕元に置いてあるティシュの箱より5~
6枚を取り、無言でそれを桂に渡してやった。
そして、自身の砲身を拭おうと手を伸ばした時に、桂が痛そうにティシュ
をアヌスから外した手に、目を引き寄せられていた。
拭ったティシュは真っ赤な血が付いていたのだ。
「血が付いているのか?切れてしまったようだな。痛かったろう?」
「初めてですわ。でも・・」
{でも、あんなに感じさせて貰えて幸せでした}と、桂は言おうとしてい
たが・・
「ちょっと乱暴過ぎたようだな。悪いことをしたかな?」
全裸で肌を合わせて共同作業をしている内に、お互いを許そうと思ってい
た2人はお互いにいたわりあっていた。
桂は思っていた。
{今日は乱暴にされたが、放出後は優しくティシュを取ってくれたし、切
れたアヌスも心配してくれている。優しい伸介さんが本当は好きなんだ}と
「心配だな。ちょっと見せてみろ!」
血が止まらないで自分でティシュを取った桂を見て、伸介は眉を顰めた。
寝返って四つん這いになって灯りの方へ向けた白いお尻から血が噴出して
いる。
伸介の男根を飲み込んでいたそこは、暗い紅の内部を見せて閉じきれない
で、盛り上がりを見せて開いている。その盛り上がった縁の1箇所が切れ
て血を流している。ちょうど、柘榴の口のような感じがした。
「痛いか?右上の方が1箇所きれている・・」
「エエ!ちょっと・・」
指を持って行くだけでピクンと身体を硬直させる。
「2度とああ言う口を利くなよ。お前は俺の女になったんだからな。お前
が約束を守れば、俺の方も守る・・」
「はい。あんな口を利いて桂が馬鹿でしたわ。2度とあんなことは言い出
しませんことよ。あなたがお怒りになるのは当然だと反省しておりますわ
。スミマセンデシタ」
全裸の桂はシーツの上に跪いて正座をしたかと思うと、深々と頭を下げて
いたのだった。
自分のことを桂と呼んでいるその姿には、会社の上司の経理部長としての
姿では無く、完全に服従した牝の姿と言葉だった。
(4)部長の性癖
その日から1週間と言うものは、伸介からのお誘いは無い。社内では上
司と部下と言う関係では毎日顔を合わせているのに、係長の花咲伸介は知
らん顔をしていた。
部長の松坂桂としては、「会社では誰も知らない関係だ」と言う伸介の心
使いがとっても嬉しかったが、同時に伸介が余りに冷淡すぎるのも寂しく
思っている。自分のことが嫌いになったのかと弱気の虫が台頭してくる。
「花咲君ちょっと・・」
部長の桂は、課長が席を外しているのを見て、自分の席の右前に座ってい
る係長の伸介を呼んだ。
「はい。何でしょうか?」
伸介は椅子から立ち上がって、曲がったネクタイを直しながら部長の机の
前に立った。
「こことここの件だけど、調べて見てくれないか?」
桂の指差す書類の1番上にメモが乗せてあった。
<もう、直りました。お誘いいただけないでしょうか?>と、書き込まれ
た走り書きが乗せてあった。
伸介は思わず部長の目を見てしまった。その眸は犯した女が見せる、媚と
悲しみと苦しみで濡れているようだった。(続く)
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