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小説 舞の楽園 ( 変身 { 経理部長の桂 } )


         変身( 経理部長の桂 )(11)
この係長の花咲伸介は10年程前に女でしくじって、出世が遅れているのだ。
考えようによっては、幸福な人生を送っているとも思えて、桂はちょっぴり
羨ましいと思っている部分もある人物であった。
「会社には内緒にして上げますから、今晩1晩 僕に付き合ってくださいよ
。部長は嫌だとは申しませんよね・・」
部長の桂よりは10歳も年下の伸介はニヤリと笑ったかと思うと、脅すよう
に言っていた。そして、先に立って歩き出していた。
ホモバーの痴態を見られてしまった桂は、途方にくれてトボトボと着いて行
くよりは方法がなかった。
その時点で、伸介には部長である桂を犯そうとは思っても見なかった。
ただ、ちょっとホモ男のテクニックがどんなものか興味を引かれたでけで
あったのだ。
そう云えば、アナルには汚いと言う認識はなかった。以前に付き合った女の
で女陰でのセックスよりもアナルでのセックスに非常に積極的な女性がいた
ことを思い浮かべていた。
先に立って歩いていくと、ドラックストアーが目に付いた。
{そう云えば、あの女はイチジク浣腸をいつも持ち歩いていたな・・お尻の
中を常時綺麗にして置くためにはイチジク浣腸は必需品だと恥ずかしげに呟
いたことがあったっけ・・お店で買うのは恥ずかしいけれども、またそれが
快感なのよ・・}とも、言っていたっけ。
{よし!部長に買わせて見よう}と、考えた。
伸介の心の中では、{どの位この部長が従順なのか調べてみよう}{今後の
予定が立つ}と考えたのだ。
「部長。あのドラックストアーに行って、イチジク浣腸を5箱買ってきて
くれませんかね?」
立ち止まって、後ろをトボトボと肩を落として就いてくる部長の桂に向か
って笑いかけた。
突然言われて、ちょっと吃驚した桂だが、黙って頷いて店に入って行きイ
チジク浣腸を購入して、外で待っていた伸介に渡している。
後で聞くと、桂はイチジク浣腸がアヌスマニアの必需品であることを知ら
なかったと言うことである。
知っていたら、恥ずかしくてよても買えなかったと言う。
伸介は先に立ってラブホの出入り口を潜っている。入り口の扉に肩を落
とした桂が入ってくるのが写っていた。伸介には桂が入り口を潜らざるを
得ないことが分かっていた。
ラブホテルには、伸介には女と一緒に入ったことが何十回もあるが、男と
入ったことはなかった。ちょっと照れくさい・・
桂はこう云うところは初めてであったようだ。
伸介が料金を支払って、部屋の鍵を受け取るのを呆然と見ていた。
伸介が待たせておいた桂を手招きして、部屋のほうへ行くと、イソイソと
従っていた。
もう、何も考えられない様子であった。

  (5)桂を自分の女に・・
「脱いで・・」
伸介は軟派した女に言うように言った。
会社での主従関係は完全に逆転したいる。伸介は当然のように振舞った。
「はい・・でも・・・」
思わず返事をしていた。
桂にとっては、若い頃よりの男好きが、漠然とした不安が、本物になりそう
な予感が声を震わせているのを覚えている。でお、期待している自分が
居ることも知っていた。(続く)
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