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小説 舞の楽園 ( 秘書の遍歴 )


 


秘 書 の 遍 歴 - < 4 >

「さあ。風呂に入ろう・・!洗ってやるよ!」
 日本では11月ともなるとチョット薄寒くなりますので、コートを着ている方もいらっしゃい
 ますが、緯度の低い台湾ではまだワイシャツで十分なのです。
 それでも・・初めての会社を訪問すると云うことで、社長と私は背広を着ております。
 お部屋にお入りになさった時に、社長は背広を脱いでおりましたが、ネクタイを緩めんながら
 そうおっしゃいました。
 堅太りの社長はどちらかといいますと、汗っ掻きなのです。
 社長がワイシャツを脱ぎ始めたのを見て、私は慌てて浴室に行きました。
 秘書たる者、社長が「入浴する・・」とおっしゃれば{ 浴槽にお湯を入れなければ・・}と
 思ったのです。

  浴室の扉を開いて又驚きました。
 明るい電灯の点いた室内は本当に豪華なのです。
 私の住んでいる寮の浴槽の10倍ぐらいの広さと、壁と床は黒いタイルを引いてあり、それが
 電灯の光で輝くように光っております。
 3人が充分に入浴出来そうな深い緑色の大理石の浴槽と、壁には大きな鏡がはめ込まれてい
 まして、その鏡の前には化粧品まで揃えられているのです。
{ こう云う豪華なところで女の人を抱いたならば、女の人はイチコロで男に靡いてしまうの
 じゃないか・・}と私は思いました。
 そして・・{ わたしが女でなくって男で・・社長に悪いことをしているようだ・・}と鏡に
 写った貧弱で、なおかつ軟弱な私の身体を見て考えました。a

  浴槽に調整したお湯を入れましてお部屋に戻ると、社長は白いブリーフ1つでベッドに腰
 を掛けています。
 「浴槽にお湯を入れて参りました。どうぞ・・お入りになさって下さい・・」
 社長の脱いだ背広は先程ハンガーに掛けましたが、ワイシャツとズボンはまだなんです。それ
 をハンガーに吊るしながら、私は申し上げます。

  

社長のお身体は固太りと言うのでしょうか、お腹は少し出てますが引き締まった、骨太
 で毛深い肉体をされています。
 色は褐色で、腕や脚っは私の倍はあるんじゃないかと思われる、「いかにも男だ・・」と言
 う肉体なのです。
 私の理想の身体なんです。
 白くって骨も細くって、女のような躯を恥ずかしく思っておりました私は、社長の裸の身体
 を見ましてドキマギしてしまったのです。

  「一緒に入ろうよ・・!洗ってやる・・よ!」
 またおっしゃっています。
 先程も「洗ってやる!」とおっしゃる言葉を聞いたような気がします。しかし・・2度目も
 聞き間違いだ・・と思っています。
 普段の社長を知っている方ならば、当然です・・
 しかし・・今夜の社長は普段の時の厳しい社長とは何処か雰囲気からして違うのです。
 優しい・・のです。(つづく)























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コメント

No title

なんだろうな。
入浴の広さからも、
社長の愛情の深さを感じるのは
個人的なものですかね。
入浴でも愛し合いたいという愛情が伝わってくる感じで、とても好感が持てますね。

No title

浴室も浴槽も広いんです。
こんな豪華な部屋に泊まったら、取ってくれた方の
愛情を感じるはずなのです。

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Author:舞
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