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小説 舞の楽園 ( 秘書の遍歴 )


 

秘 書 の 遍 歴 - < 26 >

    前にあります等身大の鏡には青いブラとパンティだけを着けた私の姿が凄く恥ずかし
 そうにして映っておりました。
 ナイロンで出来た青色のパンティは、そこにあるべき恥毛が無いことを知らせるように薄い
 のです。
 { 下腹部を剃られていることが判ってしまう・・}と思ってモジモジを繰り返す私です。
 流石に高級ブテックの店員さんです。
 そのことについては、何も態度には表しませんでした。

  「次にこれを・・お召しになさって下さい・・ませ!」
 ブラジャーより色が濃いランジェリーを私に着させてくれています。
 そのインナーは非常に短くって、薄くって、細い肩紐が白い肩を際立たせていました。
 柔らかくって軽いその着心地に、女性の下着類を初めて身に着けた私は驚いておりました。



「足のサイズはお幾つでしょうか・・?」
 ワンピースを着まして鏡に全身を映していると、店員さんが聞いて来ました。
 「24です・・」
 赤くなって 答えますと店員さんはカーテンを開いて出て 行きます。そして、表にいます
 他の店員さんに何かを言いつけています。
 「よく・・似合うじゃないか!フムッ・・これなら何処に連れて行っても可笑しくっは
 ないな・・!」
 直ぐに社長が 更衣室に入って来まして、満足そうに呟いております。
 { まさか・・会社でもこんな女の姿でいろように・・とおっしゃるのでは無いでしょう
 ね・・。そんなことは有りえないわね・・}と考えている私でした。

 20分から30分経た頃に「お待ち如何さまでした・・」と先程の女店員さんが手に大
 きな紙袋を下げて戻って参りました。
 紙袋の中身はサンダルが2足入っていました。
 まず、銀色のサンダルを履きまして、店員さんが足首の細い紐を止めてくれています。
 立って見ますと、ヒールの高さは3cmぐらいですが、背丈が高くなったように感じられ
 ます。
 慣れないせいか、足元がおぼつかないのです。店員さんに支えて貰いました。

  「ヒールの高さは・・如何でしょうか・・?」
 「慣れていないので・・でも・・ちょうどですわ・・」
 次に紺色のサンダルを履いて立った私を見ていた店員さんがニッコリと笑いまして聞い
 て来ます。
 私は作った女言葉を使っています。もう完全に開き直って女になっている私です。

  「オッ!イイネッ・・!どうせなら・・化粧もしてやってくれんか・・」
 「そうおっしゃると思っていましたわ・・。どうぞ・・こちらへ・・」
 傍に立った社長が鏡を覗き込みながら言うと女店員さんは「連れて帰りたいのだ・・!」
 と言われていたのでしょう、笑顔で私を隣の化粧品のお店に案内して下さったのです。

  そのブティックからお隣のお化粧品のお店まではチョットの間ですが外を歩かねば 
 ならないのです。
 ドレッシングルームから表に出ました私は頭と顔だけが男の姿でしたから、とても恥ず
 かしく思ったものです。
 それから・・お店を出る時に、もう1つのサンダルを女店員さんは持って来て下さった
 のです。
 靴屋さんは通路の反対側、斜め前にありました。


  そのお化粧品屋さんではちょっと年上の店員さんにメークをされまして、肩に届くか
 届かないと云うウィッグを冠って私は完全な女に変身しました。
 「ビューティフル!」
 台湾の方でしょうかその店員さんが驚いたような声を出しています。
 私が目を開けて鏡を覗き込みますと、美しい女の人が鏡の中におりました。
 思わず髪を撫ぜ、{ これが・・わたし・・?}と思ったものです。(つづく)










 
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コメント

No title

商売上手だな(笑)。
まあ、良い店員とも言えますよね。
ああいう風に色々サポートして、
情報と提案をしてくれるのは
非常に優れていると思います。

私もこういうところに行くと、
店員のお任せにする、
何も考えない人です(笑)。

No title

 そうですね。
店員さんにもいろいろあると思いますが、サポート
をしてくれる店員さんがいた方が楽しめますね。
けれども・・あくまでも小説の中だけです・・

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Author:舞
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