小説 舞の楽園 ( 秘書の遍歴 )
- 2022/02/16
- 23:52
秘 書 の 遍 歴 - < 34 >
翌日、引っ越しをいたしました。
2年間も住みました寮ですが、何も置いてはいないと思っていましたのに溜まるもので
すね・・
しかし・・引っ越しの業者の方が全部片づけてくれまして、私は何もせずにただ見てい
るだけでした。
驚いたのは、社長に言われていたのか、私の男物のお洋服と下着の類は全部処分されて
しまったことです。
結局残ったのは、出張の時に買って頂いた女物のお洋服とか、昨日買って頂いたお洋服
ぐらいな物です。
お嫁に行く・・と云う訳ではないのですが、{身1つでお嫁に行くと云うのはこういう
ことかしらね・・}と思ったのです。
その夜は、社長に愛されましたが、私は奥様のことが気になりまして燃え上がるまで
は行きませんでした。
( 女性秘書 )
その次の日から私の生活は一変しました。
まず、会社です。
強制的に取らされた休暇が明けました私が女の姿で社長の後から事務室に入って
行きますと、社員の皆さんは驚いた顔をしております。
それは・・そうでしょうね・・。今まで男の秘書だった私ではなく、女の秘書の私を
を連れて入って行ったのですもの・・
「乾清子君だ! 秘書をやって貰う・・!皆、宜しく頼む・・よ」
社長はそう申して、女の姿の私を事務所の皆さんに紹介しております。
ワンマンの社長は堂々としたものです。
男だった私を自分のオンナにしたことを、ちっとも悪びれてはいないにです。
『流石は豪胆な社長だわ・・!頼もしい限りだわ・・』と私は思いました。それと
同時に『私も女になってしまったことを・・堂々としていましょう・・』と考えてい
ました。
「乾清次改め乾清子と申します。性同一性障害の男性でしたわたくしを社長の女に
いえ、秘書として頂きました。これからは女性秘書として会社の為に働く積りです
ので、男性秘書だった時と同様に・・皆様宜しくお願いいたします・・」
社長の後ろに立っていました私は1歩進んで、頭を下げました。
赤くはなっていたかと思いますが、もう女性秘書になります決心をいたしております。
台湾のホテルで社長から「女になれ・・」と申されて考えていました、{自分を性
同一性障害だった・・と云うことにしまして、男性から女性に変わったのだ・・}と
皆さんにはお話したのです。
女性が圧倒的に多い総務課と経理課の職場は、私の言葉によってしばらくは雑わ
ついておりましたが、私がハイヒール鳴らして秘書の席に着くころには治まっており
ました。
その日のお昼休みは大変でした。
総務課と経理課の女性たちに囲まれてしまったのです。
女性たちはほどんとが昼食のお弁当を持って来ています。会議室で食べるのですが、
皆さん興味深々のご様子で、私の廻りを取り囲んで色々と質問して来るのです。
大概の女性たちは、前々からの女のような私を見知っておりますので、女秘書に
なりました私のお話を信じてくれまして、そう違和感を持たないようです。
ただし、課長も含めまして数人しかいない男性の人達は、好奇の視線を私に向け
て来ていました。
女になりました私を丸裸にするような視線で恥ずかしい思いです。
まるで私を社長のSEXDOLLだ思っているような視線なのです。
でも・・本当のことですので、表面上は堂々としていましたが、内心はビクビク・
ドキドキしております。(つづく)
スポンサーサイト