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小説 舞の楽園 ( 図書士の恋 )


 
図書士の恋 - ( 1 )-2


   
 

「あっ・・あなたは何時も土曜日にいらっしゃる・・」
 「やぁ・・覚えていてくれたのですね・・!嬉しいな・・」
 思わず私が口にすると、彼は爽やかな笑顔を作っています。彼の笑顔は初めて見まし
 たが、笑うと笑窪が出来て親近感が湧くような笑顔でした。
 いえ・・決して、普段の顔が不細工で取っ付き難い顔をしている訳ではありません。
 寧ろ眉が太くって目が細くって、男性的でハンサムなのです。
 ハンサムと云う言葉はもう死語ですか・・?今はイケメンと云うのですか・・?
 
  「ちょっと調べたいことがありまして・・でも、間に合って良かった!8時まで
 でしょう・・?」
 「閉館は8時ですが・・いですよ!ただし、表の照明は落とさせて頂きますが・・」
 「わたしはこの後、何も予定がありませんから・・ごゆっくりなさっても結構です」
 「悪いですね!それじゃぁ・・失礼します・・!」
 大して悪いとは思っていなそうな明るい口調で言うと、彼は本棚の並んだ棚の方へ
 移動し、私は又本の整理点検を始めました。
 それでも、{ きちんよした挨拶の出来る人なんだな・・}と思って悪い気持ちは
 していませんでした。
 最近の若い人は「どうも・・」とか何とか言ってお終いにする人が多いようです。
 (つづく)





























          
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