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小説 舞の楽園 ( 退職記念 )


 
退職記念 - ( 7 )

つぎの日は今度はアルゼンチン側からイグアスの滝を見学です。
 アルゼンチン側からだと、それほど歩くことなく滝を見物出来るのです。
 本当に凄い水量の大瀑布でした。日本の全部の滝を合わせても、イグアスの滝には及ばないで
 しょう・・改めて思いました。
 彼のカメラで彼を、私のカメラで私を。そして・・このツアーに参加している皆様も大分慣れ
 親しんで来ましたので、2人一緒の写真も何枚か写して貰いました。
 彼に撮って頂いた、大瀑布をバックに私が微笑んでいる写真を、妻の遺影の脇に飾ってやろう
 と考えております。

  そして・・3か国の国境のモニュメントの塔が建っています地点にも行きました。
 ちょうどその地点へ私達が立った時に雨が降り始めました。
 たいしたことはありませんでしたが、矢張り雨は嫌ですね・・
 今回の旅の間には、雨に降られたことはこの1回限りで快適な旅行だったとおもいます。


       < 4 > 優しい彼
  イグアスのホテルで2日目の夜のことです。
 夕食は例の通りバイキングでした。彼は優しくって、脚の悪い私のところに料理を持って来て
 くれるのです。
 「今日は・・僕の部屋に来ないかい・・?」
 食事が済むと、彼が部屋に誘うのです。そしてホテルの売店で地元のアルコール度数の高そう
 な地酒(その度数の高そうなお酒しか置いてはないようでした・・)とお摘みになりそうな
 ココナッツを買って来るのです。
 お酒は日本の焼酎見たいな感じでして、ちょっと濁ったお酒です。強いのでしょうか、キツイ
 アルコールの匂いがしています。

  「今日は僕の部屋で飲もう・・よ!」
 彼に誘わるたのです。・・と言っても、私のお部屋は彼のお部屋の隣です。
 「それでは・・後で・・参ります」
 「待っているよ・・」
 もうその頃には、年下の身体の大きな彼の方が年上の色が白い私に対してタメ口を聞いてい
 まして、私の方が丁寧な言葉を使っています。
 意識をしている訳ではありませんが、男と女のような関係になっていたのかも知れません。

  部屋に戻った私はシャワーを浴びまして、白いチノパンに襟なしのシャツ姿で、お隣に
 お呼ばれしたのです。
 彼もシャワーを浴びたようで、白地に藍色の格子の入ったサラシの甚平姿の軽装で私を迎
 えてくれました。
 サラシの甚平は上から2つのボタンが外されておりまして、彼の逞しい胸板の上部が見えて
 います。そこには・・ちょっぴり胸毛も顔を出しておりました。
 彼のその姿にクラクラするような感覚を、私は味わっておりました。

  「ちょっと飲んで見るかい・・?」
 私のお部屋と真逆ですが、小さなテーブルと椅子が1脚。その椅子に腰を降ろした私に、
 ベッドに腰掛けた彼は言いました。
 テーブルにはグラスが2つ用意されており、グラスの片方にはナミナミともう一方のグラ
 スには1/4程度の液体が注がれています。
 その少ない方のグラスを私に差し出したのです。
 「ええ・・ほんのちょっとだけ・・戴きます・・」
 私はお酒は全くダメなのです。でも・・折角彼が注いでくれて、そう言って下さるのです。
 コップを取り上げました。

  「いい旅になるように・・乾杯」
 ナミナミと注がれたコップと私の少量のコップがカチンと合わされました。
 一口啜ると、アルコール度数は40%を超えているようなお酒でして、私は噎せてしまい
 ました。
 「大丈夫かい・・?」
 心配そうに彼はミネラルウォーターを入れて私に渡してくれました。
 喉がカァーと熱くなりまして、咳が止まらなくなった私は、ミネラルウォーターを飲み
 頷いています。(つづく)



     

   
 
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