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小説 舞の楽園 ( 退職記念 )


 
退職記念 - ( 25 )

    リマからバスに乗りビスコは向かいます。
 ビスコの空港は空軍の飛行場だ・・と云う話です。
 そこでは・・8~9人乗りの軽飛行機でナスカに向かいます。勿論、プロペラ機です。
 ナスカの地上絵を空から見物です。
 ナスカの地上絵は150mくらいの大きな絵もありましたが、大部分は想像していたものより
 も小さいものが多いのです。
 飛行機は何度も何度も旋回しながら、地上絵を見せてくれるのです。飛行機の右側座席に乗っ 
 た人と左側座席にいる人と左右に旋回しながら平等に見せてくれるのです。

縦に3列・横に3名位しか乗れない飛行機の真ん中に座った私は、両方の地上絵を見ることが
 地上絵が近づくと両方を見ようとして身体を捩って見ておりますので、気分が悪くなっていま
 す。
 「大丈夫かい・・?」
 1時間ほどの軽飛行機のフライトの後にビスコの空港に戻ってまいりましたが、私は蒼い顔
 をしてフラフラとしていました。
 彼が心配して声を掛けてくれました。
 その夜もリマのホテルで彼のお部屋に招かれまして、愛情をイッパイ・イッパイ注いで貰った
 のです。

  
  翌日はクスコへ行き、市内観光です。
 クスコは相当に高地にあります。スペイン統治時代の遺跡が沢山あるのです。
 太陽の神殿・12角の石壁・サイサイクモン城塞などです。バスに乗ってこれらの遺跡を巡る
 のです。
 足が悪い私を彼が何くれとなくサポートをしてくれるのです。
 { 身形こそ違いますが、まるでスペイン王朝時代の貴婦人のようだわ・・}という感覚に
 なるほど、非常に優しくサポートをして下さるのです。
 「あらっ・・仲が宜しいの・・ね」
 添乗員の女性が言うくらいにサポートをして下さるのです。
 「あの2人は可笑しいのじゃないかしら・・」と言われるほどに彼は優しいのです。
 私は幸せ一杯で、彼に甘えていたのです。

 「わたしに親切にして下さるのは・・とっても嬉しいのですけれど、周りの皆さんに変に
 思われます・・わ。わたしは大丈夫だから・・」
 「わたしは兎も角も・・あなたの経歴に傷が付くわ・・!」
 バスの隣の席に座っています彼の耳元で囁きます。
 私は気の小さい人間で他人の噂を気にするタイプなのです。
 「そんなことは気にする必要は無い!2人の仲を疑う奴には疑わせておけばいい・・!どう
 せ日本に帰ったならば赤の他人になるのだから・・」
 彼は平然としております。
 「俺のオンナになったんだろう・・?俺が俺のオンナに親切にして、何が悪い・・?」
 ニヤリと笑っています。それでも・・周囲の人には聞こえないように声を落として言うの
 です。
 彼の男性的な言葉を聞きまして、{ わたしはこの人のオンナになったのだわ・・幸せだ
 わ・・}と考えました。

  その夜はウルバンバのホテルでした。
 高地に慣れる為に、高度の低いところにあるホテルへ泊まって、順次高度の高いホテルへ
 移動するのだそうです。
 旅行会社は、今回の旅行では当地の最上級のホテルを用意してくれてありましたが、その
 ウルバンバのホテルだけはちょっとばかり頂けませんでした。
 何しろ高地に建っているだけに寒いのです。
 お部屋も狭くってやっとベッドが置けるほどです。暖房と言ったら小さなファンヒーター
 が1個置いてあるだけでした。
 私は荷物を置くと彼のお部屋に逃げ込みましたが、彼のお部屋も同様でした。
 夕食はやはりバイキングでしたが、食堂は別館でした。そこもやはり寒いのです。
 兎に角、ウルバンバのホテルは寒かった・・と云う印象しかありません。
 ウルバンバは小さな町ですから、もっと暖かなホテルと云ったホテルは無いものでしょう
 か・・? (つづく)
 





















 

 
 

   
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