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小説 舞の楽園 ( 退職記念 )


 
退職記念 - ( 27 )

   山岳鉄道の終点っから、今度は10人乗りぐらいの小型バスです。
 90度にも切り立った山道をバスが何度も何度も曲がり曲がって登って行くのです。
 { こんなところを良くバスが走っているものだわ・・}と感心するような道です。
 無論、舗装などはしてありません。対面からバスが来るとすれ違うのも苦労するような道なの
 です。
 1時間近くも小型バスに揺られてヒヤヒヤしていると、マチュピチュの遺跡の全景が見える
 ところに来ました。そこでバスは停車をしてくれて遺跡の全景を見ました。
{ 高山の頂上にあれだけの建築物を残したインカの人々とは一体何だったのでしょう・・}と
 不思議です。
 すこから直ぐにバスの終点です。
 そこにはレストラン1軒と喫茶店(と言うほどではありませんが、コーヒー等が飲めるオープ
 ンカフェ)と3=4軒のお土産屋さんがありました。

  そこからロープウエイに乗ってマチュピチュの遺跡群に行くのです。
 私は足が悪いにと風邪を曳いてフラフラとするので、ロープウエイに乗って遺跡に行くのは
 とっても無理だ・・と諦めました。
 「一緒に、ここに残ろうか・・?」
 「そうおっしゃって下さるのはありがたいのです・・けれど、折角ここまで来たのですから、
 あなたは遺跡を見ていらっしゃい・・な」
 「わたしは、ここでお待ちしておりますから・・」
 「でも・・お前が心配なんだ・・!」
 彼が私の身体を気遣ってくれて、そう言ってくれましたが遮って私は言っております。
 本当に・・本当に優しい彼氏で私は満足です。

  彼等がロープウエイに乗って出かけた後は、私は暫く1人で日向ぼっこをしておりました。
 辺りには繰り返しバスが到着して多数の観光客を吐き出して、またマチュピチュの遺跡を見
 たお客を乗せて帰って行きます。
 1時間ほど石垣に座って日向ぼっこをしていましたが、コーヒーが飲みたくなりました。
 マチュピチュは高度も高く、南半球は夏だと云うのに寒いのです。
 そこで、屋根こそありますが吹き抜けのオープンカフェの飲み屋さんに入って行きました。
 現地のスペイン語は皆目判りませんがコーヒーは判ったようです。

隣の席に座ったオバサンの4人組の内の2人が日本人と同じ顔をした方がおりましたので
 声を掛けたのです。日本人かと思いました。
 「こんにちは・・」
 「ヘロー・
 「グラッチェ」
 声を掛けますと、各々が答えています。
 「上へは行って来たの・・?」
 と英語で聞かれましたが、私はスペイン語どころか英語も全くダメなのです。
 でも。。言葉自体は判らなくとも、身振り・手振りで何とか理解出来るものなのですね・・
 そのオバサン達はどうやらフィリッピンから来たようです。
 言葉は通じなくっても仲良くなれるものです。(つづく)





















 

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