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小説 舞の楽園 ( 退職記念 )


 
退職記念 - ( 35 )

その夜から、お化粧のお勉強を始めました。
 幸い、妻の残したお化粧品とお化粧の道具は整理をしないで残っておりました。
 妻のしていたように三面鏡の前に座って、化粧水を顔に塗っております。
 乳液も薄いピンクの口紅も塗りましたが、濃くなり過ぎて2度ほどやり直しをしていました。
 それから・・やはり妻の残しました薄いピンクのベビードールを白い素肌の上に着まして、休み
 ます。
 彼と過ごした夜のようにショーツは履いてはいません。

これから休もうとしている時に、携帯に彼からのメールが届きました。
 「ありがとう。今度の旅行は楽しかったよ!俺に取っては大変有意義なツアーだった。お前と
 いう女がゲット出来たからね。それから、昨晩は疲れているのに、着替えをしてもらって嬉し
 かったよ。お前の白い肌にあのドレスは良く似合っていたよ。
 明日は午後3時ごろに行くからね・・。もう1つのスカートやセーターを着て待っていておく
 れ・・。
 ではお休み!  俺の愛する女房の昭子へ  崇より」
 ・・と云う長文のメールでした。
 まるで、亭主から奥さんに出すようなメールです。
 私は嬉しくって3度も読み返しています。最後の「俺の愛する女房の昭子へ」と云う部分は口
 に出しておりました。

  彼のオンナになったことは、承諾した覚えがありました。
 それが・・SEXの最中だったような気も致します。しかし{ 彼の奥さんにしてもらおう}など
 とは考えてもいませんでした。
 義理に硬い・・と言うか。非常に男らしい彼は、貫いてしまった女は奥様にしなければいけない
 ・・と考えているのでしょう・・
 「嘘でも・・嬉しい・・わ」
 私は呟いております。

  直ぐにパソコンで返信を打ちました。
 だって携帯のメールでは短すぎて思いが伝わらない・・と思ったのです。
 「ありがとうございました。この度の旅行は大変なご迷惑をお掛けしてしまいまして、何とお
 礼を申し上げてよいのか判りません。
 お陰様で風邪も良くなりまして、元気になりましたわ・・。
 明日は三郷のわたしのところへいらっしゃって頂けるのでしょうかしら・・?3時にお待ち申
 しあげておりますことよ。
 今、わたしはお化粧のお勉強をしておりましたのよ。・・だって、わたくしはあなたのオンナ
 になったのですもの・・お化粧をして何時までも美しい姿であなたをお迎えいたしたいと思う
 のです・・
           崇さんのオンナ  昭子より  」
 パソコンを閉じた私は満足した女の気持ちでベッドに入りました。
 彼に夕べも剃られた私の男性自身がチョッピリと固くなって起立していることが、私には恥ず
 かしく不満でした。


次の日の2時半ちょっと過ぎに、ピ~ンポ~ン・ピ~ンポ~ンとチャイムが鳴りました。
 「は~い」
 返事をしまして立ち上がったところで{ もしかしたら彼ではなく、他の人だったらば如何
 しようかしら・・}と考えたのです。
 その時の私の姿と言ったらば、まるで20代の女の子のようでした。
 彼がイオンモールで買ってくれた淡いピンクのザックリとしたセーターを着て、真紅の膝上
 20cmもあるミニのスカートを履いていたのです。
 顔にはまだお化粧には慣れていなくってキャバレーの女のように濃いケバケバしたお化粧を
 しているのです。
 顔のお化粧は今朝起きた時から何度も練習をしましても、私にはそうパンダと思うような
 出来栄えでした・・付け睫などは糊でベタベタして使えなくしておりました。

  若い子のお洋服と濃いお化粧は私には似合っていないことを鏡で自覚しておりましたが、
 もう如何しょうもありません。
 ただ・・{ お化粧はもっともっとお勉強して上手にならなければいけないわ・・}と
 思うばかりでした。(つづく)











   
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