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小説 舞の楽園 ( 退職記念 )


 
退職記念 - ( 36 )

    本当に恐る恐ると言った感じで玄関の開けて外を覗いたのです。
 「どうした?昭子。あんまり遅いから・・。フフフッ。化粧をしていたのかい・・?」
 そっと扉を開いた私に彼は聞いて来ましたが途中で止めて噴き出しました。それから聞いてい
 ます。
 「どうぞ・・!」
 笑った彼を迎い入れました。
 彼が笑った理由も判っておりますが、それよりも{ 他の人に見られるかも知れない}と云う
 恐怖の方が勝っていました。とにかく・・私の姿は可笑しいわ・・と思っております。

彼は玄関に入ると扉を閉めて、「イヤ-ッ・・笑うなんて。でも・・可笑しいでしょう・・?」
 と言う私を抱き寄せたのです。
 { まさか・・ご挨拶をする前に抱き寄せられるなんて・・}と思ってもしなかった私は彼の
 大きな広い胸の中にスッポリと入ってしまったのです。
 そして、上を向いた唇を奪われてしまいました。
 真紅のルージュを塗った唇を彼の大きめの唇が塞いで、舌が口中に入って来ます。
 永い間(・・と私は感じていますが、3分ぐらいだったようです)その姿勢のまま唇を吸われ
 ていました。
 「ああんっ・・もう。紅が着いちゃったじゃありませえんこと・・」
 情熱的なキッスを解かれた私の最初の言葉です。

  無論、その日は彼に抱かれました。夜も入れて5回も・・です。
 「自分は異常体質ではないか・・」
 彼自らがおっしゃるほどに、精力がお強いのです。
 私の肉体に何回も放出しても、柔らかくなって使えないと言うことは無いのです。何時も、ど
 んな時でも、その気になると固くって巨大になるのです。
 恐ろしいほど巨大に成長した彼のものを受け入れた私が「蜩のように鳴くのが面白い、もっと
 鳴け・・」とおっしゃって、また穿つのです。
 そして・・精も根も尽き果てた私はティッシュを股間に挿むのも忘れて、眠りに着きました。
 もう・・彼の肉棒が無いと・・生きられないオンナになりました。

  あっ・・南米ツアーの写真が出来上がりました。
 その内の何枚かを引き延ばして、B 5ぐらいの大きさにしたのです。
 私は2枚を妻の遺影の横に並べたのです。
 1枚は彼に写して頂いたナイアガラの瀑布をバックに私が微笑んでいる写真です。もう1枚は
 ナスカの地上絵に行った時に軽飛行機に乗ったのですが、その時に操縦士さんが写してくれた
 彼と並んでいる写真です。
 「この人が、わたしの彼氏よ・・」と報告しました。


     < 14 > マンション探し

「昭子。お前と離れて暮らしたくは無いんだ!一緒に暮らさないか・・?」
 「幸いにして・・かどうかは解らないが・・お前も俺も互いに独身どうしだ・・!一緒に暮ら
 しても、不都合はない・・!昭子。俺のところに来るか・・?」
 旅行から帰って来て2か月が過ぎたある日、例によってダウンした全裸を伏せにして寝ている
 私の背中に指を這わせながら、彼がおっしゃるのです。
 彼がこの3~4日何かを考えているのを知っています。
 重要なことを考えている時は新聞を見ていても、お話をしていても( SEXの最中は別ですが・  
 ・)心ここにあらず・・と云った感じなのです。
 「ご飯にしましょうか・・?」と聞いても「うん」言うだけなのです。
 { 何か・・大事なことを考えていらっしゃるのね・・}と私は考えていました。(つづく)
  























 




















 
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