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小説 舞の楽園 ( 退職記念 )


退職記念 - ( 42 )

「 私が男であることは暫くは内緒にしておくように・・」
 1週間ぐらい前に、彼に言われていました。
 しかし、{ 崇さんの肉親である方には、本当のことを言おう・・・。どうせバレるに決まっ  
 ているわ・・}と私は思っていました。
 彼に対しての初めての反抗らしきものでした。しかし、私の心の中を知って理解を示して呉れ
 ました。

  「・・・」
 { 本当に仕方の無い奴だなぁ・・}と云う顔をしまして、彼は頷きました。
 「俺は昭子を女以上に女らしい女だと思っている!俺は俺が見初めた昭子と結婚をしたいんだ
  !。俺は昭子を愛しているし、昭子も俺を愛してくれている・・!」
 「2人の仲を裂かないでくれないか・・?」
 彼は男らしくそう言い切ったのです。
 「わたくしは男を捨てましたわ・・!これからは女として生きて行く積りなのです。ですから
 ・・崇さんは結婚とおっしゃいますが、わたくしはそんなに高望みはいたしておりません」
 「ただ・・一緒に暮らすことをお許し願いたいのです・・」
  女に戻って女言葉で切々と訴えました。
 「わたくしも崇さんをお慕い申し上げております・・。この愛は男としてでは無く、女として
 の愛なのです。女として崇さんの愛を受け入れることにしましたのよ・・」
 男らしい彼の言葉に感激しました私は、お2人に対して哀願していました。

  お2人は呆然と顔と顔とを見合わせていました。
 お2人に対して今までにそんなことを考えたことなど無かったのですが、この時に初めて{
 私が心はもう女ですが、男で1つしかない後ろの孔を使ってSEXをするのだ・・}と云うこと
 に、私は恥ずかしさを覚えておりました。

「おやじ。こんな綺麗な人を・・本当に南米ツアーの時に知り合ったのかい・・?」
 暫くジッと私と彼の顔を見ていました息子さんが彼に聞いています。
 その言い方は私を否定する言い方では無く、私を女として認めて私達の仲を承認するような
 言い方でした。
 息子さんとしたら、「もう仕方が無い」と思っていたのかも知れません。
 「うん。女房が・・俺があんまり寂しそうだったから・・引き合わせてくれたんだと思って
 いる・・!」
 「昭子も妻を亡くして、独りで参加していたんだ・・。それで・・仲よくなって・・な!」
 「本当は男姿のままの昭子を貫いてしまったのだ・・」彼は言いたいところでしょうが、
 息子さんの奥さんもいらっしゃるところで、そこまでは露骨に言う訳にはいかなかったと
 思うのです。
 それでも・・息子さんご夫婦は判ってくれたと思います。
 私の中の男の部分が、彼に後ろの孔を貫かれて女になった・・・ことを恥ずかしく思って
 いました。
 私はそこに居たたまれずに顔を真っ赤に染めていたことでしょう・・

  「昭子さんが・・これからもずっと女で居てくれるなら・・俺はおやじを認めよう・・!
 なっ・・美咲もいいだろう・・?」
 先程の紹介の折り、息子さんは隆之さん。お嫁さんは美咲さんと紹介されていました。
 「わたくしも・・お義父さんがそうしたいとおっしゃるならば・・それでいいわ!」
 息子の隆之さんも美咲さんも比較的簡単に女になった私を認めてくれました。そして・・
 彼との同棲も認めてくれたのです。(つづく)












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