小説 舞の楽園 ( 記憶に残った女 )
- 2022/06/03
- 22:59
記憶が・・-(6)
(5)第2子誕生
「お願い・・もう、来て・・」
女は熱心な勇の舌が送り込むあまりの快感に声を上ずらして、叫ぶように強請
った。
女の枕から外れた透き通るほど白いお尻を持ち上げると、今度は腰の後ろに枕
を引き直して位置を低くすると、女の足を抱えている。
そしてそのまま身を乗り出すと、女の素敵な足首は勇の肩に掛かったまま、二
つ折になった。
勇の股間のものは、信じられないほど屹立している。
柔らかく潤んだ狭い洞穴に、一気にその剛直を押し込んでいた。
「おお・・」
女は呻いた。
「これよォ。これが欲しかったのよォ・・・」
ややあって、喘ぎながら呟いた。
女の恍惚とした表情が印象的だった。
勇はふっとその表情を何処かで見たような気がしている。たしか、新婚当時
の妻がこんな貌をしていたことを思い出している。
そう言えば、妻のこんな表情は久しく見てはいないことに気付いている。いや
このような表情をさせてやっていなかったことに気付いたと言った方が正しい
かも知れない。
(女房にもこんな表情をさせてやらなければいけないんだ・・)
ふと、そう思った瞬間、女が腰を動かせた。
挿入している穴がキュンと締まって、穴の周りで捲くれ返っていた肉襞がザワ
ザワと動いて勇のものに纏わりついた。その纏わりつき方は勇の肉筒を柔らか
く握って離さないような感じがしている。
勇の浅黒い腰が激しく女の穴をうがる。
女の白い両手が何時の間にか、勇の肩先に引っかかって揺れている両肢の外側
に廻されて、勇の背中を抱いていた。
「ああっ、イク・・イッちゃうぅぅ・・」
唄うように女が叫んで登り詰めたのと、勇の砲身から勢い良く精を放出したの
はほとんど同時だった。
その時の勇の脳裏には妻のイク時の顔が浮かんでいた。
翌年、勇の家には第2子が誕生している。
夫婦仲もこのところ悪くはない。
もちろん、勇にはあの朝のセックスが記憶としては鮮明に残っているが、勇だけ
の秘密であった。その後、彼女のことを探してみたが、庸として分からない。
(終わり)
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