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小説 舞の楽園 ( 1DKのマンションで・・)


         1DKのマンションで・・(17)
「うん!一子の1人くらい、俺が食わせてやるよ」
熊さんは一子を独占したくなっていた。熊さんの一子の体内に入れている腰の
動きが早くなり、一子の肉体の最奥に激しく体液を噴出したのは言うまでもな
かった。
「ようし一子。明後日の月曜日、会社に辞表を出しに行こう。一子は女になっ
て、綺麗にお化粧をして会社に行くんだ!会社のみんなに一子の男と決別した
艶姿を見せてやるんだ」
浴室で交じ合った後を洗い流して、熊さんは決心したように言った。
「一子。明日は美容院へ行ってお出で! それからデパートへ行って一子に似
合う洋服を見立ててやるよ。・・いや、待てよ・・デパートで服を買うのが先か
な・・どちらでもいいや・・一子の好きにせいよ。俺もデパートには付き合って
やるよ」
「明日は拡張の仕事はさぼることにするから、10時にはここに帰ってくる。
化粧をして待っていろ!」
長年憧れていた女になって、女として生活できるのだと考えた一子は嬉しくて、
熊さんの丸裸の毛むくじゃらの下半身に縋り付いている。
熊さんはしがみ付く一子の長く伸びた頭をいとおしげに撫ぜていた。
そのは、もう2回も、熊さんの精液を身体の中にいただいた一子である。

 翌日、いつものように熊さんを送り出してから、鏡に向かってお化粧をする
一子の姿があった。
今までに自分の持っている洋服のうちで1番女らしい服を選んでいるが、どれ
もこれも今の自分には似合いそうもない。結局、ジーパンに白いシャツという
中性的な姿で、化粧もほどんとしない姿で熊さんの帰って来るのを待っていた。
「一子。行くぞ!」
10時になると玄関の扉の向こうで、熊さんの生き生きした声が聞こえている。
一子以上に熊さんは張り切っていた。
デパートに行って女性物のパンタロンとブラウス、ノースリーブのワンピース
に下着類、サンダル等を購入して、試着室で着替えをした一子は何処から見て
も女性そのものだった。
そして、下着類を数点とワンピとミニのスカートを買い足してマンションに
戻っている。
「今日は俺が帰ってきた時に、丸裸で玄関に出ていなくとも良い。一子の美
容院へ行った女の姿を見てみたいんだ。きっと素敵な女になっているだろう
な・・」
熊さんはそう言い残すと、夕刊の配達に向かった。
一子はちょっと濃い目の化粧をして、今日購入してきた青いノースリーブの
タンクトップにジーンズ姿で、駅前の美容院へ入って行った。

(9)退職願
 翌日の月曜日。綺麗にお化粧して、昨日買って貰った初夏らしい藤色の
ノースリブのミニ丈のワンピースに白いパンプスを履いた一子と、こざっぱり
と開襟シャツ姿の熊さんは一緒にマンションを出た。
思えば、熊さんとこうして出歩くのは初めてで、一子はウキウキした気分に
なって、恋人同士のように熊さんの腕にぶら下って歩いている。
けれども、電車が一子のお勤めしている会計事務所に近ずくにつれて、一子の
顔色が蒼くなっている。
「心配するな一子。お前は女なんだ! 女になったんだ! 自身をもて!」
熊さんが荒っぽいけれども励ましの言葉をかけてくれるのが、一子にとって
は百人の励ましよりも心強い味方だった。
「オハヨウゴザイマス」
いつもは入り慣れているはずの事務所の扉がとっても重く感じていた。
「はい。どちらさんで・・・」
受付の中年の女性が立って来た。
「オハヨウゴザイマス。須藤さん」
もう、成るようにしかならないのだ・・と、開き直った気持ちで、明るく言っ
て頭を下げた。
いつも顔を会わせている須藤さんは「エッ」と言う顔をして、まじまじと一子
の貌を見た。
「も、もしかして・・もしかして、し、島田君じゃない・・」
須藤さんは驚きで口をポカンと開けている。
「ええ・・島田です。所長は?」
男声で返事をした。
「所長さんは・・・おりますが・・まあ・・如何したの? その格好は・・
まあ・・だけど、似合うわね」
甲高い驚きの声に事務所に居る全員が不思議そうにこちらを見て、驚きから
か、皆口をホカンと開いて席を立とうとしなかった。(続く)
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