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小説 舞の楽園 ( 1DKのマンションで・・)


         1DKのマンションで・・(19)
 熊さんが紹介され、熊さんが主に一生懸命に喋っている。
一子はニコニコと頷くだけだ。だが、熊さんを信頼して、頼りきっているのが
ありありと判った所長であった。
「そうか。結婚か?。もちろん、男性と男性では戸籍は入れられないだろうが、
同棲しているんだろう?。島田君。幸せになれよ!」
「この退職願は受理することにしょう。けれども落ち着いたら、また、この事
務所に来てはくれまいか?。今度は女性として、勤めてはくれまいか?。折角
覚えた会計の仕事を無にすることはあるまいと思っているのだよ・・」
所長は、幸いにも今話題になっている性同一性障害については、あまり違和感
を持っていない。
所長はそう言ったのだ。
「えっ、こんなわたしを雇って貰えるんですか?女になったわたしでも?本当
に宜しいのでしょうか?」
一子は驚いている。
「うん。男でも女でも仕事をしてくれるなら・・関係ないと思うのだが・・」
「所長さん。ありがとうございます。一子は一生懸命働きますわ・・」
所長の言葉に、一子は飛び上がって喜んだ。見る見る目を潤ませて、下を向
いていた。
この日は、一子にとって思いがけなく、幸せが二つ重なったようである。

  (10)残した男性自身 
駅前の脱毛クリニックへ通いだした。
そのクリニックのお客は女性ばかりだ。胸も女性器も陰毛すら無い一子はクリ
ニックのスタッフに自分の全裸を晒すことに、非常に抵抗がある。しかし、
「女性になるための第一段階だ」と、熊さんに言われて恥ずかしさに耐えてい
る。
特に陰毛の除去は熊さんの命令でなければ到底できない話であると思っている。
ほぼ1ヵ月後、首から下の無駄毛は1本も生えていなく、ツルツルしたお肌に
なった一子は去勢手術を受けていた。
そして、程なく豊乳手術も受けて88cm、Dカップの豊かな胸乳となってい
る。もう、ショーツの膨らみさえなければ、どこから見ても女体そのもので
あった。

 「ご主人様。一子の身体の改造はもう終わったのでしょうか?」
ある日、例によってセックスをした後、気息えんえんの一子は熊さんにそうっと
聞いていた。
「ん、一子の肉体を弄るのはもう終わりにしようかと思っている。クリちゃん
が大きいほうが可愛くていいし、女陰を作っても使えるようにはならないそうだ
し、赤ん坊が生める訳では無いしな・・」
熊さんの右手は一子の、今は排泄のためにしか用をなさなくなった男性器を弄び
ながら言った。
「俺は一子を手術で痛めつけるのを止めにしたんだ!。一子があまりに可愛そう
なんでな・・それにオマ〇コは二つもいらないんじゃないかい?」
熊さんはニタリと笑って言う。
「俺は、一子のここさえあれば、言うことはないんだ・・・」
そう言って、今しがた精液を放出して洗い流してもいない、一子のアヌスに触れ
て来る。
一子は完全な女性になることを望んでいるが、男根を取り去って女陰を作ること
は危険を伴うものであることは承知している。それに、女陰を作ったからと言っ
て、熊さんの子供を産める訳ではないことぐらい理解している。
熊さんの優しさに涙汲んでいた。(続く)

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