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小説 舞の楽園 ( 海 )



『 海 』  - 9

「さあ!立て・・!立って丸裸になるんだ!」とばかりに健様が半袖シャツの上から
  肩を鷲掴みにして、無理矢理跪いている私を立たせました。
  頬を張られたことで、殺されるかも知れないと云う恐怖が私を襲い、丸裸を晒すと云う
  屈辱に勝りました。
  「は、はい・・」
  歯の根が合わないと云うことは、こう言うことでありましょう・・返事もか細いもので
  した。
  震える手がノロノロと半袖シャツの裾に伸びて、シブシブとでしたが捲り上げていま
  した。


   「出来ません。許してください・・!お願いです!裸に成るのだけは許してください」
  「他のことならば・・何でもいたします・・。うううぅぅ・・」
  自分の男性自身が極小で、しかも皮を冠ったままで、毛もチョビチョビとしか生えてい
  ないと云う 思いが再び蘇ったのです。
  上半身のシャツだけは脱いだ私は並んでベンチに座っている2人の足元に平伏して、頭
  を下げて、大仰に泣き出しています。
  それほど・・極小の男性自身が嫌でした。
  2人の兄弟はここまで来ても手離しに泣いている私に、ちょっと呆気に取られたような
  表情を一瞬浮かべました。
  眸を見合わせたように私は感じています。

「ならねぇ」
  いきなり怒鳴りつけます。
  「いいか・・?おめえは俺達のオンナ。セックスレイプになるんだ・・!オンナとして
 俺達に抱かれるんだ・・よ」
 錠様は今で抑えていたものが暴発したように怒鳴りました。
 「俺達はな・・毎晩女をだかねえとねむれねぇんだ・・!こうして・・海に出たならば、
 女を想い出してセンズリだわな・・」
 健様が落ち着いた声ながら、卑猥なことを言っています。
 「だけど・・港の女は色が黒くって、まともなのはいねえ・・!そこに行くと・・お前
 は色も白くって、顔も可愛いいし、本物の女よりも細っくって・・女みてぇ・・だ!」
 「女の代わりを務めてもらおうか・・と思ってな・・!」

  私も若い頃は女性とSEXをしたいと熱望しておりました。
 漁に出ている間は女に不自由をしている・・と言っている、この若く壮健な海の男達の
 言う事は理解出来ないではありません。
 しかし・・幾ら色が白くって華奢であっても、自分は男であり、到底女性の代わりが
 出来るとは考えられません。


  「許して・・脱ぐのだけは・・許して下さい・・」
 真っ青になった私は跪いて、必死になって頭を下げました。
 全裸にさえならなければ、この男達には襲われることはない・・と思っているように
 です。

  「手間を掛けるんじゃねぇ!脱げないんだったら・・脱がしてやろうか・・?破け
 たってしらねぇぞ・・!たとえ・・生きて港は帰っても素っ裸だぞ!」
 錠様が面白がっているような口調で、尚も私を脅します。
 着ていた白い半袖シャツを掴んで、そう脅すのです。
 もう少し引っ張られたらシャツはビリビリと破けるのじゃないかと思いました。
 私の頭には白い全裸でトボトボと波止場を歩く自分の姿が浮かんでいました。
シャツを破られるくらいならば、ここで自分で脱いだ方がマシのような気がしていま
 す。

  「脱ぎます!脱ぎますから・・破らないで・・」
 錠様に捕まえられたシャツは伸び切っています。もう少しで破けそうなのです。
 悲痛な声で、半分はヤケクソになっていました。
 男の誇りなんてものはもう何処を捜してもありませんでした。
 これで・・生命が助かるならば・・と神にも縋りたい気持ちだったのです・
 
  恥ずかしくって、後ろを向いてシャツを脱ぎました。
 脱いでいる私のムダ毛も見当たらない、そして幾らかですがフックラとした背中から
 腰に掛けての線を見て、男達は何故か欲情したような眸を見合わせて頷いていたのが
 印象的です。(つづく)
 















































      
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